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FFヒーター付きキャンピングカーの仕組みと雪の日の一酸化炭素対策

公開 2026-10-18・装備・FFヒーター

この記事の目次
  1. FFヒーターとはどんな暖房か
  2. エンジンをかけたままの暖房との違い
  3. FFヒーターでも雪には注意が必要
  4. 冬の旅の装備
  5. スタッドレスタイヤとチェーン
  6. 冬のキャンピングカー旅を楽しむコツ
  7. まとめ

スキー場や雪見の温泉、冬の星空など、冬のキャンピングカー旅には夏とは違う楽しみがあります。その旅を支えるのが、エンジンを止めたまま車内を暖められるFFヒーターです。ただし冬の車中泊には、雪による一酸化炭素中毒という命にかかわる危険もあります。この記事では、FFヒーターの仕組みと安全な使い方、冬の旅に欠かせない装備をまとめます。

FFヒーターとはどんな暖房か

FFは英語の「Forced Draught Balanced Flue」の頭文字から来た呼び名で、日本語では「強制給排気」と呼ばれます。送風機の力で、燃焼に使う空気を外から取り込み、燃えたあとの排気も外に出す方式です。札幌市消防局は家庭用のFF式暖房について、室内の空気を使わず、屋外から空気を取り入れて屋外に排気する方式だと説明しています。キャンピングカーのFFヒーターも同じ考え方で作られています。

ドイツのメーカー Webasto の温風ヒーター(Air Top 2000 STC)の取扱説明書をもとに、仕組みを整理します。

項目 内容
燃料 車の燃料タンク、または別に設けた燃料タンクから取る。軽油用・ガソリン用の型がある
燃やす場所 ヒーターの中で燃やし、その熱で車内の空気を温めて送り出す
燃焼用の空気 車の外から取り込む
排気 車の外にだけ出す
電気 ファンや燃料ポンプを動かすために車の電気を使う

燃料を燃やす部分と車内の空気が分かれているので、車内の空気を汚しにくいのが特長です。また、エンジンとは別に動くため、エンジンを止めたまま暖房を使えます。

車によっては、燃料ではなくガス(LPガス)で動く暖房や、暖房と給湯が一体になった機器を積んでいる場合もあります。借りる車の暖房がどの型か、店で確かめておきましょう。

エンジンをかけたままの暖房との違い

「寒ければエンジンをかけてカーエアコンの暖房をつければいい」と思うかもしれません。しかし、駐車中にエンジンをかけ続けて暖を取るのは、雪の日には特に危険です。

エンジンをかけたままの暖房 FFヒーター
熱のもと エンジン ヒーター本体で燃料を燃やす
排気の出口 車の下のマフラー ヒーター専用の排気口
音 エンジン音が続く 比べて静か
周りへの影響 排気ガスや騒音で迷惑になりやすい 少ないが、排気は出る

日本RV協会も、公共駐車場でのマナー10ヵ条の1つに「無駄なアイドリングをしない」を挙げています。

雪でマフラーがふさがると何が起きるか

JAFは、雪に埋まった車でエンジンをかけ続けるとどうなるかを確かめるテストをしています(2015年2月、北海道旭川市)。ボンネットの上まで雪をかぶせた車では、エンジンをかけて16分後に車内の一酸化炭素の濃度が400ppmに、その6分後には測定できる上限の1,000ppmに達しました。JAFはこの濃度を「3時間ほどで死に至る」危険な状態と説明しています。

一方で、マフラーのまわりを除雪した車では、一酸化炭素はほとんど検知されませんでした。窓を約5cm開けた車では、約40分後に400ppmに達し、その後800ppm台まで上がっており、窓を少し開けるだけでは十分ではないことが分かります。さらにJAFは、内気循環にしていても、車の床下にたまった排気ガスが車体のすき間から入り込むおそれがあると注意しています。

2021年に山形県で行われた別のテストでは、ガソリン車を雪で埋めた状態で、一酸化炭素の濃度がテスト開始から1分24秒で警報の目安となる50ppmに達しています。一酸化炭素は色もにおいもなく、気づかないうちに中毒になるのが怖いところです。

JAFは、雪の中で車にとどまる場合はできるだけエンジンを切ること、マフラーのまわりをこまめに除雪すること、除雪用のスコップや防寒着、毛布を車に備えておくことをすすめています。

FFヒーターでも雪には注意が必要

FFヒーターは排気を外に出す仕組みなので安全、と考えるのは早すぎます。排気口や空気の取り込み口がふさがれば、その前提がくずれるからです。

Webastoの取扱説明書は、燃焼用の空気の通り道と排気の通り道がふさがっていないか確かめるよう警告し、ふさがれた状態ではヒーターが安全でない状態になりうるとしています。札幌市消防局も家庭用のFF式暖房について、排気口や給気口が雪でふさがれると不完全燃焼を起こし、室内に一酸化炭素がたまるおそれがあると注意を呼びかけています。

雪の日にFFヒーターを使うときは、次のことを守りましょう。

  • 排気口と給気口の場所を知っておく: 車の下や側面のどこにあるか、借りるときに店で教えてもらいます。
  • 寝る前と夜中に除雪する: 雪が強い夜は、排気口とマフラーのまわりに雪が積もっていないかこまめに確かめます。
  • 雪の吹きだまりに車を止めない: 除雪した雪が積み上がる場所や、風で雪がたまりやすい場所は避けます。
  • 体の異変を感じたらすぐに止める: 札幌市消防局は、頭痛や吐き気がある、いつもと違うにおいがするといったときは、使用をやめて換気し、点検を受けるよう案内しています。
  • 一酸化炭素の警報器を置く: 持ち運べる警報器があると、気づきにくい一酸化炭素に早く気づく助けになります。

ほかにも守りたいこと

  • 車庫など閉め切った場所では使わない: Webastoは、排気を吸い出す設備のない車庫のような閉じた場所では使わないよう警告しています。
  • 給油所では止める: 同じく、給油所や燃料タンクのある施設では使わないよう警告しています。
  • 車内で炭や七輪を使わない: 日本RV協会のレンタル事業向けマニュアルでは、車内での炭火(七輪、火鉢など)の使用は禁止とし、一酸化炭素中毒や酸欠への注意を呼びかけています。
  • 燃料の残りに気をつける: FFヒーターは車の燃料タンクから燃料を取る型が多いので、冬の夜は早めに給油しておきましょう。
  • バッテリーの残りに気をつける: ファンや燃料ポンプは電気で動きます。使い方や電気の残りの見方は、店の説明に従いましょう。

冬の旅の装備

冬のキャンピングカー旅では、暖房のほかにも準備しておきたいものがあります。

装備 理由
除雪用のスコップ マフラーや排気口のまわりの除雪、車を出すときの雪かき
スノーブラシ 車の屋根や窓の雪を落とす
防寒着・毛布・寝袋 暖房が止まったときや立ち往生したときの備え
手袋・長靴 除雪やチェーンの付け外し
一酸化炭素の警報器 気づきにくい一酸化炭素に早く気づく
飲み物と食べ物 立ち往生に備える
携帯トイレ 渋滞や立ち往生で長く車から出られないとき

JAFは、雪の多い地域へ出かけるときは、除雪用のスコップや防寒具を車内に備えておくとよいとしています。トイレ付きの車なら立ち往生のときにも心強い装備になります(トイレ付きの車の一覧)。

スタッドレスタイヤとチェーン

雪の道を走るには、冬用のタイヤ(スタッドレスタイヤ)が基本です。冬にキャンピングカーを借りるときは、スタッドレスタイヤを付けた車かどうかを必ず確かめましょう。

チェーン規制とは

国土交通省は、2018年度から、大雪のときに特定の区間で「チェーン規制」を行っています。これは、大雪の特別警報や大雪に対する緊急発表が出るような、まれな大雪のときに行うもので、急な上り下りのある峠など、過去に立ち往生や通行止めが起きた区間が対象です。

国土交通省の説明で、特に覚えておきたいのは次の点です。

  • スタッドレスタイヤでもチェーンが必要: チェーン規制中は、スタッドレスタイヤを付けていても、チェーンを付けていない車は通れません。
  • 4WDでも同じ: 4WD車もチェーンを付けていなければ通れません。
  • 付けるのは駆動輪: タイヤチェーンは駆動輪に付けるのが基本です。
  • 使えるチェーン: 市販のタイヤチェーンなら基本的に使えますが、タイヤに薬剤を吹き付けるタイプは認められていません。

キャンピングカーならではの注意

キャンピングカーは車体が重く、タイヤのサイズも乗用車と違うことがあります。チェーンが積んであるか、サイズが合っているか、どのタイヤに付けるかは、借りるときに必ず確かめましょう。雪の降る場所で初めてチェーンを付けるのは大変なので、出発前に店の駐車場などで一度付け外しを練習しておくと安心です。

大雪の予報が出ているときは、出かける日をずらすことも立派な安全対策です。旅の前には、道路の情報と天気予報を必ず確かめましょう。

冬のキャンピングカー旅を楽しむコツ

  • 泊まる場所は除雪された施設を選ぶ: RVパークや冬も営業しているオートキャンプ場は、車中泊のための場所が整っています。旅先は 地域から探すページ で出発地の近くの店舗とあわせて探せます。
  • 結露対策をする: 寒い時期は窓に結露ができやすくなります。ときどき換気し、タオルで拭き取りましょう。
  • 水の凍結に気をつける: 給水タンクや配管の水は、氷点下で凍ることがあります。水抜きの方法は車ごとに違うので、店の説明に従いましょう。
  • 車選びで暖房の型を比べる: 居住部の広い キャブコン から小回りの利くバンコンまで、FFヒーターを積んだ車はさまざまです。暖房の型と、寝る人数に合った広さをあわせて比べましょう。

FFヒーター付きの車の一覧 では、冬の旅に向いた車を地域や車の大きさから探せます。

まとめ

  • FFヒーターは、燃焼用の空気を外から取り込み、排気も外に出す暖房です。エンジンを止めたまま車内を暖められます。
  • 雪でマフラーがふさがった車でエンジンをかけ続けると、短い時間で一酸化炭素が危険な濃度に達することがJAFのテストで分かっています。窓を少し開けるだけでは防げません。
  • FFヒーターも、排気口や給気口が雪でふさがれば危険です。排気口の場所を知り、こまめに除雪し、体の異変を感じたらすぐに止めましょう。
  • 冬の旅はスタッドレスタイヤが基本で、チェーン規制の区間ではスタッドレスタイヤでもチェーンが必要です。チェーンの付け外しは出発前に練習しておきましょう。

参考にした情報

この記事の条件で、キャンピングカーを借りられる店舗を探せます。

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