公開 2026-10-18・装備・シャワー
この記事の目次
海で泳いだあとや山歩きのあとに、車の中でさっと汗や砂を流せるのがシャワー付きキャンピングカーの魅力です。ただし、車に積める水には限りがあり、家と同じ感覚で使うとすぐにタンクが空になります。この記事では、シャワーの仕組みと水の量の目安、使ったあとの排水の扱い、入浴施設との上手な組み合わせ方を解説します。
シャワーを支える4つの仕組み
キャンピングカーのシャワーは、家のように水道管とつながっているわけではありません。車の中で水を「ためて、温めて、使って、またためる」仕組みになっています。
| 部品 | 役わり |
|---|---|
| 給水タンク(清水タンク) | 使う水をためておくタンク。取り外して水道で満たす型もある |
| 水道ポンプ | タンクの水を蛇口やシャワーに送る電動ポンプ |
| 温水ボイラー(給湯器) | 水を温める装置。ガスや電気、燃料を使う型がある |
| 排水タンク(グレータンク) | 使ったあとの水(生活排水)をためておくタンク |
日本RV協会がレンタル事業者向けにまとめたマニュアルでも、利用者に伝える使い方の例として「給水タンクの取り外し」や「水道ポンプについて」が挙げられています。給水と排水の扱いは、車ごとにやり方が違う部分です。借りるときには、店の説明を受けながら一度実際に操作してみるのが確実です。
シャワーの形も車によってさまざまです。トイレと兼用の小部屋でカーテンを引いて使う型、車の後ろや横の扉の外で使う屋外型などがあります。家庭用に近い個室シャワーが付いた車は、居住部の広い キャブコン や バスコン に多く見られます。
お湯はどうやって作るのか
温水ボイラーは、タンクに水をためて温めておく型が一般的です。たとえば欧州のメーカー Truma の暖房・給湯一体型の機器(Combi 4)では、温水をためる容器の容量はおよそ10Lとされています。メーカーの値では、この容器だけを温める場合、約15℃の水を約60℃にするのに約23分かかります。
ここから分かるのは次の2点です。
- お湯の量には上限がある: 一度に温めておけるお湯の量が決まっているので、続けて何人も使うとお湯が足りなくなることがあります。
- すぐには出ない: 使う少し前にボイラーの電源を入れておく必要があります。
60℃前後のお湯は、そのままでは熱すぎます。シャワーでは水と混ぜて温度を調整するため、ボイラーの容量よりも多くの量をシャワーとして使えます。ただし、混ぜる水も同じ給水タンクから出ていくことは覚えておきましょう。ボイラーの種類や操作は車によって違うので、借りるときに店で確認してください。
使える水の量の目安
キャンピングカーで一番大切なのは、水の量を意識して使うことです。
家のシャワーの例として、東京都水道局は、シャワーを流しっぱなしにすると1分間に約12Lの水が出るという目安を示しています(水栓の種類や水圧などの条件による目安です)。この目安で計算すると、次のようになります。
| 給水タンクの量 | 家と同じ勢いで流し続けた場合の目安 |
|---|---|
| 20L | 2分足らず |
| 40L | 3分少し |
| 60L | 5分ほど |
※東京都水道局の「1分間に約12L」で計算した単純な試算です。実際の水の量は、車のシャワーヘッドやポンプの性能で変わります。また、給水タンクの水は台所の洗い物や手洗いにも使います。
給水タンクの容量は車によって大きく違うため、予約のときに確かめておきましょう。この試算からも分かるように、車のシャワーは「流しっぱなしにしない」ことが基本です。
少ない水で済ませるコツ
- ぬらす → 止める → 洗う → すすぐ の順で、水を出すのは最初と最後だけにする
- シャンプーは入浴施設で。車では体の汗や砂を流すだけにする
- 洗い物を先に済ませない。シャワーを使う日は、食器の洗い物を紙で拭いてから少ない水で洗うなど、使う順番を考える
- 給水できる場所を確かめておく。キャンプ場やRVパークで給水できるかは施設ごとに違うので、予約時に聞いておく
日本RV協会は、施設の許可なく給水しないことをマナーとして挙げています。道の駅の手洗い場などで勝手にタンクに水をくむのはやめましょう。
排水(グレータンク)の扱い
シャワーで使った水は、排水タンク(グレータンク)にたまります。台所で使った水も同じタンクにたまる車が多く、意外と早くいっぱいになります。
捨ててはいけない場所
日本RV協会は、公共駐車場でのマナー10ヵ条の1つとして「グレータンクの排水は行わない」を掲げ、その場で垂れ流したり、側溝に流したりしないよう呼びかけています。同協会のマニュアルでは、トイレの汚水より汚れが少ないからと軽い気持ちで排水溝に流してしまう人が多いことに触れ、満杯になったら使うのをやめて、キャンプ場やRVパークなどの専用の設備で捨てるよう利用者に伝えることを求めています。
また同じマニュアルでは、排水タンクがなく、そのまま車の外に流れ出てしまうモデルもあるため、事前に確かめておくよう書かれています。借りる車がどちらの型なのかは、必ず店で確認しましょう。
上手に扱うコツ
- 出発前に、排水タンクが空になっているか確かめる
- 「どこで捨てられるか」を旅程に入れておく(キャンプ場やRVパークの予約時に、排水を捨てられるか聞く)
- シャワーと洗い物を同じ日に重ねすぎない
- 排水口に髪の毛や食べかすを流さない(つまりやにおいの原因になる)
温泉や入浴施設と組み合わせる
車のシャワーは、たっぷりお湯を使う入浴の代わりというより、「さっと流す」ための装備と考えると使いやすくなります。体をしっかり温めたい日は、温泉や日帰り入浴施設を使い、車のシャワーと使い分けるのがおすすめです。
日本RV協会が認定する車中泊施設「RVパーク」では、認定の条件の1つに「車で15分以内に入浴施設があること」が含まれています(条件の一部を満たした「RVパークライト」では対象外の項目です)。RVパークに泊まる日は近くの温泉で入浴を済ませ、車のシャワーは翌朝の寝ぐせ直しや、移動中に汗を流したいときに取っておく、といった使い方ができます。
| 場面 | おすすめの使い方 |
|---|---|
| 1日遊んだあとの夜 | 近くの温泉・入浴施設でゆっくり入る |
| 朝の身支度 | 車のシャワーで短く |
| 入浴施設の営業時間外 | 車のシャワーで汗だけ流す |
| 連泊で給水できない日 | 体拭きシートと組み合わせて水を節約 |
海や山で遊んだあとの使い方
シャワー付きの車が一番活躍するのは、アウトドアで遊んだ直後です。
海のあと
- 車に乗る前に、足や体の砂をできるだけ落とす。砂はシャワーの排水口やタンクのつまりの原因になります
- 海水浴場にシャワー設備があればまずそこで砂と塩を流し、車のシャワーは仕上げに使う
- ぬれた水着やタオルを入れる袋を用意し、車内をぬらさない
山のあと
- 汗をかいたら、着替える前に短くシャワーで流すだけでもさっぱりします
- 泥のついた靴は車外で落とし、シャワー室には持ち込まない
- 標高の高い場所や寒い時期は、水が冷たくなりやすいので、ボイラーを早めに入れておく
寒い時期は、配管やタンクの水が凍らないよう注意が必要です。水抜きの方法や冬の使い方は車によって違うため、冬に借りる場合は店で確認してください。
子どもやペットと一緒の旅
泥んこになった子どもの足を洗ったり、散歩のあとのペットの足をふく前に流したりと、シャワーは家族旅行でも役立ちます。ペットと泊まれる車は ペット可の車の一覧 から探せます。シャワーの利用でペットを洗ってよいかどうかは店ごとに決まりがあるので、事前に確かめましょう。
水と排水を回す1泊2日の例
水の量を意識した旅の流れを、1泊2日の例で考えてみます。出発時に給水タンクを満たし、排水タンクを空にしておくことが前提です。
| タイミング | すること | 水の使い方 |
|---|---|---|
| 1日目 午後 | 海や川で遊ぶ | 施設のシャワーで砂を落とし、車のシャワーは短く仕上げだけ |
| 1日目 夕方 | RVパークやキャンプ場に着く | 給水と排水ができるか受付で確かめる |
| 1日目 夜 | 近くの入浴施設へ | 車の水はほとんど使わない |
| 2日目 朝 | 身支度 | 車のシャワーで寝ぐせ直しや汗流し |
| 2日目 出発前 | 施設の設備で排水 | 許可された場所で排水タンクを空にし、必要なら給水 |
このように「しっかり入るのは施設、車は短く」と分けておくと、タンクの容量が大きくない車でも、水切れや排水タンクの満杯に慌てずに済みます。連泊する場合は、給水と排水ができる施設を途中に入れて、タンクを「満たす・空にする」機会を作っておきましょう。
借りる前に確かめておきたいこと
- シャワーの形(室内の個室型か、トイレ兼用か、屋外型か)
- お湯が出るか、ボイラーの種類と使い方
- 給水タンクと排水タンクの容量、排水タンクがある車かどうか
- 給水タンクは取り外して水道で満たす型か、ホースで入れる型か
- 返却時にタンクを空にする必要があるか
- 冬に借りる場合の水抜きや凍結対策
シャワー付きの車の一覧 では、シャワーのある車を地域や車の大きさで比べられます。
まとめ
- キャンピングカーのシャワーは、給水タンク・ポンプ・ボイラー・排水タンクの組み合わせで動いています。
- 家のシャワーは1分間に約12Lが目安とされ、車のタンクでは流しっぱなしにするとすぐに水がなくなります。「ぬらす・止める・洗う・すすぐ」で短く使いましょう。
- 排水は、道の駅などの公共駐車場や側溝には流さず、キャンプ場やRVパークの専用設備で捨てます。
- しっかり温まりたい日は温泉や入浴施設、汗や砂を流したいときは車のシャワーと使い分けると、水も排水も無理なく回せます。
参考にした情報
- 一般社団法人日本RV協会「マナーを守って快適なくるま旅を!(公共駐車場でのマナー10ヵ条)」JRVA広報誌 Vol.13 https://www.jrva.com/media/koho13/13_p10-11.pdf
- 一般社団法人日本RV協会 監修「キャンピングカー レンタル事業マニュアル」 https://www.jrva.com/media/rental-manual.pdf
- 一般社団法人日本RV協会 RVパーク推進部「RVパーク開設説明資料」 https://www.kurumatabi.com/about/images/rvpark_material202403.pdf
- 東京都水道局 文京営業所 節水の案内(シャワーの水量の目安) https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/waterworks/bunkyo_202312
- Truma「Combi 4」製品ページ https://www.truma.com/gb/products/heating-systems-gb/combi-heaters/combi-4/
この記事の条件で、キャンピングカーを借りられる店舗を探せます。
店舗と車両を探す



