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キャンピングカーレンタル事業は儲かる?収益性と市場動向

キャンピングカーレンタル事業は儲かる?収益性と市場動向

更新 2026-10-21制度・根拠の確認 2026-10-21

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. 市場の数字: 何がどれだけ伸びているか
  3. 数字を読むときの注意
  4. 収益の構造: 料金×稼働日−固定費−変動費
  5. 儲かる条件・儲からない条件
  6. 季節の偏り
  7. 収益を揺るがすリスク
  8. 始める前に自分の数字で確認すること
  9. よくある質問
  10. 関連する記事
  11. 根拠

「キャンピングカーのレンタルは儲かるのか」は、開業を考える方が最初に気にする問いです。ネット上には「人気が高まっているから儲かる」という話も、「維持費がかさんで儲からない」という話もあります。この記事では、市場の動きを公的な数値で確認したうえで、収益がどう決まるか、どんな条件なら利益が残り、どんな条件なら残らないかを整理します。

この記事の要点

  • キャンピングカーの保有台数(日本RV協会の推計)、国内旅行の消費(観光庁)、訪日客(JNTO)は、いずれも直近で伸びています。ただし集計の主体と定義がそれぞれ違います。
  • 供給も増えています。キャンピングカーを含む「特種用途車等」のレンタカーは、2009 年 3 月末の 20,443 台から 2026 年 3 月末の 63,012 台に増えました(全国レンタカー協会)。
  • キャンピングカーのレンタルだけの台数・稼働率・利益率の公的な統計はありません。儲かるかは、市場の伸びより自分の事業の設計で決まります。
  • 利益は「料金×稼働日−固定費−変動費」で決まります。1 台の事業では、事故や修理で車が止まる日が、そのまま利益を削ります。
  • 「儲かるか」は、損益(営業利益)と資金繰り(借入の返済元金まで払えるか)を分けて確認します。

市場の数字: 何がどれだけ伸びているか

キャンピングカーのレンタルに関係する公的・業界団体の数値を、年・集計主体・定義とともに並べます。

指標 数値 年・時点 集計主体 定義・注意
キャンピングカーの国内保有台数 17 万 3,000 台を突破 2025 年 日本RV協会 生産台数と廃車台数などを加味した推計。登録の統計ではない
同(推移) 14 万 5,000 台 → 15 万 5,000 台 → 16 万 5,000 台 2022〜2024 年 日本RV協会 近年は毎年約 1 万台ずつ増加
キャンピングカーの販売総額 1,054 億円超(過去最高) 2023 年 日本RV協会 協会の年次報告書(有料)の発表。協会が公開で示した最新の値
日本人の国内旅行消費額 26 兆 7,845 億円(前年比 6.5% 増) 2025 年(確報) 観光庁 うち宿泊旅行 21 兆 7,211 億円、日帰り旅行 5 兆 634 億円
日本人の国内延べ旅行者数 5 億 5,313 万人(前年比 2.4% 増) 2025 年(確報) 観光庁 うち宿泊旅行 2 億 9,997 万人
宿泊旅行の 1 人 1 回当たり旅行支出 72,412 円 2025 年(確報) 観光庁 交通費・宿泊費・飲食費などを含む
訪日外客数 42,683,600 人(前年比 15.8% 増) 2025 年(推計値) JNTO 年間の過去最高。2024 年は 36,870,148 人
レンタカー車両数(全体) 1,233,434 台(前年比 105.6%) 2026 年 3 月末 全国レンタカー協会 軽自動車を含む。うち乗用車 745,780 台
特種用途車等のレンタカー 63,012 台 2026 年 3 月末 全国レンタカー協会 2009 年 3 月末は 20,443 台。キャンピングカー以外の特種用途車も含む

日本RV協会の数値は、協会が自サイトや広報誌で公開した範囲のものです。協会の年次報告書の本体は有料で、この記事では使っていません。

この表から言えるのは次のことです。

  • キャンピングカーそのものは増え続けている: 保有台数の推計は、2022 年の 14 万 5,000 台から 2025 年の 17 万 3,000 台へ、近年は年に約 1 万台のペースで増えています。
  • 旅行の需要は回復・拡大している: 国内旅行の消費額・旅行者数はともに前年を上回り、訪日客は過去最多です。
  • 貸す側の台数も増えている: 特種用途車等のレンタカーは、2009 年 3 月末から 2026 年 3 月末で約 3 倍になりました。この統計からはキャンピングカーのレンタルだけの増え方は分かりませんが、需要の伸びだけを見ず、貸す側の供給も増えていることを合わせて見ておくのが公平です。

数字を読むときの注意

市場の数字は、そのまま「自分の店の売上」にはつながりません。読むときは次の点に注意します。

  • キャンピングカーのレンタルだけの統計はない: 「特種用途車等」にはキャンピングカー以外の特種用途車も含まれ、逆に乗用車として登録されたキャンピングカーは含まれません。キャンピングカーのレンタルの台数・事業者数・平均稼働率・平均利益率を示す公的な統計は、見つかりませんでした。
  • 集計の主体が変わっている統計がある: 国土交通省の全国集計(事業者数を含む)は 2022 年 3 月末が最後です。そのときの値は事業者 10,576、車両 646,815 台(うち特種用途車等 1,493 事業者・36,842 台)でした。2023 年度以降は全国レンタカー協会の集計で、軽自動車を含み、事業者数は集計していません。同じ 2022 年 3 月末でも両者の車両数は大きく違うため、二つを同じグラフや比較に混ぜないでください。
  • 業界団体の会員は一部: 日本RV協会の会員のレンタル事業者は 51 件(2026 年 10 月時点の一覧)です。業界全体の事業者数ではありません。
  • 訪日客の増加は、受け入れの手間も増やす: 外国の免許で運転できるのは、ジュネーブ条約の様式の国際運転免許証か、政令で定める 6 つの国・地域(スイス・ドイツ・フランス・ベルギー・モナコ・台湾)の免許と日本語の翻訳文で、上陸の日から 1 年とその免許の有効期間のうち短い方までです。住民登録のある人が出国して 3 か月未満で戻った場合は、戻った日から数え直されません。それ以外の国の免許だけでは運転できません。免許と入国日の確認の手順を用意できるかで、取り込める需要が変わります。

収益の構造: 料金×稼働日−固定費−変動費

レンタル事業の利益は、次の式で考えます。

利益 = 1 日の料金 × 稼働日数 − 固定費 − 変動費

  • 固定費: 貸しても貸さなくてもかかる費用です。車両の減価償却やリース料、任意保険・自賠責、自動車税、車庫代、車検・点検の積立、Web や予約の仕組みの月額などが入ります。任意保険は許可の基準(対人 1 人 8,000 万円以上・対物 1 件 200 万円以上・搭乗者 1 人 500 万円以上)なので、削れない固定費です。
  • 変動費: 貸すたびに増える費用です。清掃・リネン・消耗品、決済手数料、予約サイトの手数料、走行に応じたタイヤ・オイルの減りなどが入ります。

固定費をまかなえる稼働日数(損益分岐の稼働日数)は、次の式で出せます。

損益分岐の稼働日数 = 月の固定費 ÷(1 日の料金 − 1 日当たりの変動費)

計算の流れを、架空の前提で示します。実際の料金・費用は、地域・車両・事業者で大きく違います。

架空の前提(1 台) 金額
1 日の料金(税抜) 20,000 円
1 日当たりの変動費(清掃・消耗品・手数料などを日割り) 4,000 円
月の固定費(減価償却・保険・税・車庫・車検と点検の積立など) 180,000 円
うち減価償却費(現金が出ていかない費用) 100,000 円
月の借入の返済元金 50,000 円
  1. 1 日当たりの限界利益は 20,000 − 4,000 = 16,000 円です。
  2. 損益分岐の稼働日数は 180,000 ÷ 16,000 = 11.25 日、つまり月 12 日貸せば営業利益が黒字になります。
  3. 資金が回る稼働日数は、別に計算します。減価償却費は現金が出ていかない費用なので固定費から引き、借入の返済元金は経費ではありませんが現金が出ていくので足します。(180,000 − 100,000 + 50,000) ÷ 16,000 = 約 8.1 日、つまり月 9 日です。

資金が回る稼働日数 =(月の固定費 − 減価償却費 + 返済元金)÷ 1 日当たりの限界利益

この例では、資金が回るのは月 9 日、営業利益が黒字になるのは月 12 日です。月 9〜11 日なら、帳簿の上では赤字でも手元の資金は減りません。逆に、返済元金が減価償却費より大きい借り方や、償却が終わったあとも返済が続く場合は、帳簿の上では黒字でも、返済で手元の資金が減っていくことがあります。どちらになるかは償却と返済の大きさで決まるので、損益と資金繰りを分けて計算します。日本政策金融公庫の創業計画書のセルフチェックリストも「利益から借入の返済が可能な収支計画か」を確認項目にしています。稼働率別の月次・年間の収支や、料金・稼働・修理の変化が利益にどう効くかは1台から始めるレンタル事業の収支シミュレーションで詳しく計算します。

なお、中小企業基盤整備機構の解説の計算例では、同じ目標利益を達成する方法として「売価を上げる」「変動費を下げる」「固定費を下げる」を比べ、固定費を下げたときに損益分岐点が最も大きく下がっています。車両を現金・融資・リースのどれで手に入れるかは、固定費の形を決める大きな判断です。

儲かる条件・儲からない条件

上の構造から、利益が残りやすい条件と残りにくい条件を整理します。数値の基準ではなく、構造から言える一般的な傾向です。

項目 利益が残りやすい 利益が残りにくい
固定費 車両の価格・調達方法が身の丈に合い、車庫代も抑えられている 高額な車両を全額借入やリースで入れ、損益分岐の稼働日数が多い
稼働 平日・閑散期にも貸せる客層や売り方がある 週末と繁忙期にしか予約が入らない
休車 事故・故障の備え(補償制度・予備の部品・整備先)があり、止まる日が短い 修理の待ちで車が長く止まり、その間の売上がゼロになる
補償の設計 約款に免責補償(CDW)や NOC(修理などで貸せない間の営業の損失を利用者が払う費用)の根拠と金額があり、修理や休車の一部を回収できる 約款に定めがなく、損害を事業者がかぶる
料金 費用と需要から決め、届け出た上限額の範囲で季節ごとに調整できる 近隣の安い料金に合わせ、変動費を引くと手元に残らない
手間 貸出・返却・清掃の手順が決まっていて、1 回の回転が早い 毎回の準備に時間がかかり、連続した予約を受けられない
集客 自社のサイト・地図・検索サイトなど、複数の入口がある 1 つの経路に頼り、手数料や掲載順の変化に弱い

日本RV協会の事業者向けマニュアルは、事故で車両が使えなくなると「利益構造が大きく崩れる」と書いています。同じマニュアルは、キャンピングカーの事業者が NOC をおおむね 10〜30 万円(または 5〜10 万円と、1 日 1〜3 万円程度の休業補償×日数)で設定していると紹介しています。これは業界団体が紹介する目安で、金額の決め方は事業者が約款で定めるものです。免責補償(CDW)は保険ではなく事業者の補償制度として、約款に根拠を、料金表に金額を書きます。

季節の偏り

キャンピングカーのレンタルの需要が月や季節でどれだけ偏るかを示す公的な統計は、見つかりませんでした。観光庁の旅行消費の数値も、この記事では年間値だけを確認しています。以下は、公的な数値ではなく一般的な傾向として読んでください。

  • 連休と夏休みに予約が集中しやすい: 大型連休・お盆・年末年始は、多くの人が同じ時期に休みを取るため、予約が重なりやすい時期です。この時期は台数が足りず、断る予約が出やすくなります。
  • 平日と冬は空きやすい: 平日や、寒い地域の冬は、予約が少なくなりやすい時期です。冬に貸すなら、雪道への備えが要ります。愛知運輸支局は、外国人観光客などへの貸渡しについて、行き先に降雪地域が含まれるかの確認や、スタッドレスタイヤを付けた車の貸渡しなどの対策を、可能なものから実施するよう求めています。
  • 偏りは地域で違う: 観光地に近いか、空港や駅から近いか、冬の観光(スキーなど)があるかで、繁忙期の形は変わります。自分の地域の偏りは、開業後の予約の記録から確認するのが確実です。

季節の偏りに合わせて料金を変えるときは、運輸支局に「基本料金」と「割増の上限額」で届け出ておくと、上限額の範囲で繁忙期・閑散期の料金の適用期間を変えても、そのたびに届け出る必要はありません(2023 年の国の事務連絡)。年間の売上は、繁忙期の稼働だけで見積もらず、閑散期の稼働を低めに置いて計算します。

収益を揺るがすリスク

キャンピングカーのレンタルは、乗用車のレンタカーにはない手間とリスクがあります。開業前に、次の点を収支に入れておきます。

  • 初心者の事故と参入の増加: 日本RV協会のマニュアルは、需要の拡大で新規参入と初心者の利用者が増え、事故が増えてコストが上がり、利益が減るという構造を「レンタルの課題」に挙げています。
  • 架装部の事故とタイヤ: 同じマニュアルには、駐車時に車体後部が植栽に当たって窓が割れる、外部電源のケーブルをつないだまま走って車体を壊す、といった架装部の事故例があります。キャンピングカーは車両重量が大きく、水や荷物で車検証の重量を上回ることが多いため、タイヤの空気圧と使用年数の管理も重視されています。
  • 車検と点検の頻度: レンタカーにすると、車検は初回 2 年・以後 1 年ごとになります。8 ナンバーのキャンピングカーのレンタカーは、定期点検が 3 か月ごとです。そのたびに費用がかかり、車が貸せない日も出ます。
  • 利用者とのトラブル: 国民生活センターに寄せられたレンタカー・カーシェアの相談は、2016〜2019 年度で年 468〜526 件あり、返却時の覚えのない傷の修理代の請求などが典型です。貸出前後の傷の確認と記録、補償の中身の事前の説明が、時間と費用の損失を防ぎます。
  • 資金の固定: ファイナンス・リースは原則として中途解約できず、解約するときは残りのリース料にあたる額を一括で払います。撤退するときの負担も見込んでおきます。
  • 補助金を前提にできない: 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉では、車両や、有償で貸すことを目的とした機械装置等は対象外です。車両の費用を補助金でまかなう計画は立てられません。

始める前に自分の数字で確認すること

「儲かるか」を自分の事業に当てはめるために、開業前に次の数字を出しておきます。

  • 月の固定費の合計と、その内訳(どれが削れて、どれが削れないか)
  • 1 回の貸出ごとにかかる変動費(清掃・消耗品・決済や予約の手数料)
  • 損益分岐の稼働日数と、借入の返済まで含めて資金が回る稼働日数
  • 繁忙期と閑散期それぞれで、現実的に見込める稼働日数
  • 事故や故障で 1 か月車が止まったときの、売上の減り方と修理費の負担
  • 車検の年の費用と、点検で車が止まる日数
  • 撤退するときの、車両の売却やローン・リースの残りの扱い

公庫のセルフチェックリストは、事業開始後の運転資金として半年程度の赤字を補う資金を検討したかも確認しています。開業直後は予約が少なくても固定費はかかるため、手元の資金に余裕を持たせて計画します。

よくある質問

キャンピングカーのレンタル事業の平均的な利益率はどのくらいですか?

キャンピングカーのレンタルに限った平均の稼働率や利益率を示す公的な統計は、見つかりませんでした。ネット上の数字は前提が書かれていないことが多いため、そのまま使わず、自分の料金・費用・稼働日数で損益分岐を計算してください。計算の手順は収支シミュレーションで紹介しています。

キャンピングカーの人気が高まっているなら、始めれば儲かりますか?

保有台数や旅行の需要は伸びていますが、レンタカーの特種用途車等の台数も増えています(キャンピングカーのレンタルだけの内訳は、この統計にはありません)。業界団体自身も、参入の増加と初心者の事故の増加で利益が減る構造を課題に挙げています。市場の伸びより、休車を減らす備えと、固定費を回収できる稼働を作れるかで決まります。

1 台だけでも利益は出ますか?

1 台でも、固定費に対して十分な稼働日数を確保できれば利益は出ます。ただし 1 台の事業は、事故や修理で車が止まると、その期間の売上がまるごとなくなります。補償制度の設計と、修理の手配先を開業前に決めておくことが、1 台の事業ではとくに重要です。

訪日客が増えているので、外国人向けに貸せば有利ですか?

訪日客は 2025 年に過去最多でしたが、外国の免許で運転できるのはジュネーブ条約の様式の国際運転免許証か政令で定める 6 つの国・地域の免許と翻訳文で、上陸の日から 1 年とその免許の有効期間のうち短い方までです(住民登録のある人が 3 か月未満の出国で戻っても、期間は数え直されません)。免許・入国日の確認、外国語での約款と補償の説明など、受け入れの手間が増えます。その手間を回せるかを含めて判断してください。

開業資金はどのくらい見込めばよいですか?

車両の価格や台数、車庫、装備で大きく変わります。日本政策金融公庫の調査では、全業種の開業費用の平均値は 975 万円(2025 年度)ですが、キャンピングカーのレンタル事業だけの値ではありません。項目ごとの考え方は開業資金はいくら必要?をご覧ください。

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根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

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