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レンタカーの免責補償制度(CDW)とNOCとは?

レンタカーの免責補償制度(CDW)とNOCとは?

更新 2026-10-21制度・根拠の確認 2026-10-21

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. 免責補償(CDW)とNOCの仕組み
  3. 事故 1 件で利用者が払うものは、どう変わるか
  4. 料金の決め方の考え方
  5. 補償が出ない場面
  6. 約款と料金表への書き方
  7. 利用者への説明のしかた
  8. 消費者契約法・民法の観点
  9. camperGo でできること
  10. よくある質問
  11. 関連する記事
  12. 根拠

レンタカーの予約の画面でよく見る「免責補償(CDW)」と「NOC(ノンオペレーションチャージ)」は、事業者が自分で決めて約款と料金表に書く仕組みです。この記事は、これからキャンピングカーのレンタル事業を始める方に向けた記事です。2 つの仕組みの違い、料金の決め方の考え方、補償が出ない場面、約款と料金表への書き方、利用者への説明のしかたを、国の通達と運輸局の約款の参考様式をもとにまとめます。

この記事の要点

  • 免責補償(CDW)は、事故の時に利用者が払う保険の免責額を、追加の料金と引き換えに免除する事業者の補償制度です。保険会社の保険そのものではありません。NOCは、事故・故障・汚れなどで車を貸せない間の営業の損失として利用者が払う費用で、修理代や免責額とは別のものです。
  • どちらも設けるかは事業者が決めます。設けるなら約款に根拠を書き、金額を料金表に書きます。金額を変えたときは、料金表の変更として事後に届け出ておくのが確実です(扱いは管轄の運輸支局に確認)。
  • 料金の相場を示す公的な資料はありません。免責額・事故の起きやすさ・休車の損失から、自社の数字で考えます。
  • 補償が出ない場面があります(警察・事業者への連絡がない、登録していない人の運転、約款違反など)。約款の禁止事項に当たるなどで保険や補償が支払われない可能性は、2026 年 6 月の国の通知で貸し出す時に伝える事項になりました。
  • 「フルカバー」のような名前でも NOC が残るなら、そのことをはっきり書きます。名前と中身のずれは苦情の元になります。

免責補償(CDW)とNOCの仕組み

事故の時の費用は、保険会社の保険、保険の免責額、事業者の補償制度、NOC の 4 つに分けると整理できます。

区分 何か 誰が決めるか 利用者から見た意味
保険(任意保険) 事業者が保険会社と結ぶ契約。対人・対物・車両などを補償 保険会社との契約 限度額の中で、免責額を超えた損害が払われる
免責額 保険を使う時に、まず自分で払う額 保険の契約で決まる 約款の定めにより、利用者が負担することが多い
免責補償(CDW) 免責額を利用者に請求しない約束 事業者が約款・料金表で定める 追加の料金を払うと、免責額の負担がなくなる
NOC 修理・清掃の間、車を貸せない損失の補償 事業者が約款・料金表で定める 保険を使っても、CDW に入っていても別に払う
NOC の補償 NOC を請求しない約束 事業者が任意で設ける さらに料金を払うと、NOC の負担もなくなる

全国レンタカー協会は、保険を使った場合でも利用者が払う費用として「保険の免責額」と「NOC」の 2 つを挙げ、一部の事業者は免責額を補償する制度や NOC を補償する制度を設けていると説明しています。協会と運輸局の約款の参考様式は、「当社が締結した損害保険契約」と「当社の定める補償制度」を分けて書いています。

そのため、この記事では CDW を「保険」とは呼ばず、事業者が約款で定める補償の制度として扱います。国民生活センターの資料には「免責補償制度(保険)」という書き方もありますが、利用者に「保険に入った」と思わせると、補償が出ない場面での説明が難しくなります。予約の画面や料金表では「免責補償制度」「補償制度」と書き、保険と分けて示すのが安全です。

なお、自動車保険そのもの(自賠責、許可で求められる対人・対物・搭乗者の水準、車両保険の選び方)は事業に必要な自動車保険にまとめています。この記事は、その保険の上に事業者が重ねる仕組みを扱います。

事故 1 件で利用者が払うものは、どう変わるか

同じ事故で、利用者がどの補償に入っていたかによって負担がどう変わるかを、架空の前提で示します(相場の数字ではありません)。

架空の前提 値
事故 利用者が駐車場で車体の側面をこすった(相手はいない)
修理代 30万円(車両保険を使う)
車両保険の免責額 10万円
NOC(料金表の額) 自走して返せた場合 2万円
補償の選び方 A: 何も付けない / B: CDW だけ / C: CDW と NOC の補償
選び方 免責額 NOC 利用者の負担の合計
A: 何も付けない 10万円 2万円 12万円
B: CDW だけ 0円 2万円 2万円
C: CDW と NOC の補償 0円 0円 0円(補償の料金は別に払っている)

利用者が誤解しやすいのは B です。「補償に入ったのに 2 万円を請求された」という相談は、国民生活センターの 2025 年の資料にも、フルカバーの補償に入っていたのに NOC 2 万円を求められた例として載っています。B のような補償を売るなら、NOC が残ることを、補償の名前のすぐ横に書くのが基本です。

また、どの選び方でも、補償の対象外になる場面(次の節)に当たれば、修理代そのものを利用者が負担することがあります。CDW は「何があっても 0 円になる」制度ではありません。

料金の決め方の考え方

CDW の料金や NOC の金額について、相場を示す公的な資料はありません。ほかの事業者の金額は、車両の価格、保険の免責額、貸出の日数が違えば参考になりません。自社の数字で、次の考え方で組み立てます。

CDW の料金: 事業者が引き受ける免責額から考える

CDW を売るということは、事故の時に本来は利用者が払う免責額を、事業者が代わりに負担するということです。料金は、その負担の見込みを貸出 1 件あたりに割り戻して考えます。

架空の前提 値
車両保険・対物の免責額 合わせて 1 件あたり平均 10万円と仮定
免責額が生じる事故の割合 貸出 100 件に 4 件と仮定(自社の記録が無いうちは推測)
1 件の平均の泊数 3 泊
  • 1 件あたりの負担の見込み: 10万円 × 4 / 100 = 4,000円
  • 1 泊あたり: 4,000円 ÷ 3 泊 ≒ 1,333円
  • これに、事故の受付・保険会社とのやり取りの手間、見込みが外れた時の余裕を足して、1 泊あたりの料金を決めます。

ここで大事なのは、免責額を高くした保険ほど、CDW で事業者が引き受ける額も大きくなることです。保険料を下げるために免責額を上げると、その分が CDW の負担に移ります。保険の見積もりと CDW の料金は、セットで決めます。始めた時の割合は推測でしかないので、事故の件数と金額を記録し、1 年ごとなどに見直します。

NOC の金額: 休車の損失から考える

NOC は、修理・清掃の間に車を貸せないことの補償です。考え方の出発点は「修理の間に失う売上」ですが、貸さなければかからない清掃・決済手数料などの費用は出ていかないので、実際の損失は売上からその分を引いた利益(限界利益)で考えます。

架空の前提 値
1 泊の料金 2万円
稼働の見込み 50%(空いている日もあるため)
1 泊あたり貸さなければかからない費用(清掃・決済手数料など) 5,000円
修理にかかる日数 軽い傷で 5 日、自走できない事故で 20 日と仮定
  • 1 日あたり失う売上の見込み: 2万円 × 50% = 1万円
  • 1 日あたり失う利益の見込み: (2万円 − 5,000円)× 50% = 7,500円
  • 軽い傷: 7,500円 × 5 日 = 3.75万円、自走できない事故: 7,500円 × 20 日 = 15万円

実際の損失は、修理に実際にかかった日数と、その間に入っていた予約(閑散期で予約が無ければ失う利益は小さく、繁忙期に予約を断れば大きい)で変わります。この計算は金額を考える目安で、定額の NOC がそのまま有効だと保証するものではありません。限界利益の考え方は収支シミュレーションで扱っています。

この計算をそのまま金額にすると高くなりすぎることがあります。消費者契約法 第10条は、消費者の利益を一方的に害する条項を無効としており、民法の定型約款の規定(第548条の2第2項)も、相手方の利益を一方的に害する条項は合意しなかったものとみなします。実際の損失から大きく離れない、説明できる金額にしておくことが大切です。

金額の決め方は、次のような形があります。どれを選ぶかの決まりはなく、事業者が決めます。

形 内容 気をつける点
定額 1 回の事故で一律の額 分かりやすい。軽い傷と大きな事故で差がない
区分ごとの定額 自走して返せたか・返せなかったか などで額を分ける 区分の決め方を料金表に書く
日数に応じる 修理の日数 × 日額 金額が後から決まる。上限を書かないと利用者が見通せない。この形の有効性について公的な見解は見当たりません

約款の参考様式は、NOC を「料金表に定めるところによる」としており、北海道運輸局は設定するなら具体的な金額などを料金表に書くよう注意しています。利用者が予約の前に自分の負担を計算できる形にするのが、揉めないための近道です。

料金の表示で守ること

  • 通信販売の表示: Web で予約を受けるなら、特定商取引法の広告の表示事項として、料金以外に利用者が負担するお金(補償の料金、NOC など)の内容と額を示します(特定商取引法 第11条、施行規則 第23条)。
  • 届出: 貸渡料金と約款を変えたときは、遅滞なく運輸支局に届け出ます(事後届)。CDW の料金や NOC の額だけを変える場合の扱いは一次資料に明記がありませんが、料金表を変えることになるので、料金表の変更として事後に届け出ておくのが確実です(扱いは管轄の運輸支局に確認)。
  • 3 か所をそろえる: 料金表・約款・掲載や予約の画面の金額と条件を同じにします。

補償が出ない場面

CDW や NOC の補償に入っていても、補償が出ない場面があります。参考様式の第29条は、保険約款や補償制度の免責事由に当たる場合は保険金・補償金が払われず、払われない損害と限度額を超える損害は利用者の負担になる、としています。

全国レンタカー協会が、保険が適用されず利用者が修理代を負担する例として挙げているのは次のような場面です。

場面 例 事前に伝える方法
警察・事業者に連絡しなかった 小さな接触だからと届けずに返した 事故は大小を問わず警察と店舗に連絡する、と貸出の時に伝える
申し出た運転者以外が運転した 予約に書いていない友人が運転した 運転者を全員登録してもらう。追加は事前の承諾が要ると伝える
約款に違反した 禁止されている使い方・又貸し 禁止事項の主なものを予約の画面と貸出の時に示す

2026 年 6 月 30 日付の国土交通省の通知(国総モ第23号)は、保険や補償が支払われない可能性があることを貸し出す時に伝えるよう求めています。約款の禁止事項に当たるなど、保険約款や補償制度の免責事由に当たる場合のことです。あわせて、運転する可能性のある人全員の氏名を申込書に書いてもらうことも求めています。

このほか、補償の対象を事業者がどう決めるかによって、次のような点も約款と料金表で決めておきます。

  • CDW が車両の免責額だけか、対物の免責額も含むか
  • 保険の限度額を超えた損害は、CDW に入っていても利用者の負担になること
  • 車内(架装部分・家具・電装)の破損や汚れ・臭いが、CDW や NOC の対象になるか
  • タイヤ・鍵の紛失など、保険を使わない損害の扱い

約款と料金表への書き方

運輸局の約款の参考様式では、NOC と保険・補償は次の条項で扱われています。

  • 第28条第2項(NOC): 事故、盗難、借受人・運転者の責任による故障、汚れ・臭いなどで事業者が車を使えないことによる損害は、料金表に定めるところによる、という形です。北海道運輸局は、NOC を設けない事業者はこの項を削ること、設けるなら具体的な金額などを料金表に書くことを注意点として示しています。
  • 第29条(保険と補償): 事業者の損害保険契約と、事業者の定める補償制度で払われること、免責事由に当たる場合は払われないこと、払われない損害は利用者の負担になることを定めます。保険と補償の限度額・免責額を書く欄があります。

約款には根拠と仕組みを、料金表には金額を書き分けると、金額を変えた時に約款を書き直さずにすみます。料金表に書く項目の例は次のとおりです(金額は架空)。

項目 書く内容の例
免責補償制度の料金 1 泊 〇〇円(税込)。任意 / 必須の別
免除されるもの 車両の免責額 〇万円、対物の免責額 〇万円
免除されないもの NOC、限度額を超える損害、補償の対象外の場面の損害
NOC 自走して返せた場合 〇万円、自走できなかった場合 〇万円
NOC の補償(設ける場合) 1 泊 〇〇円(税込)。免除される範囲
補償が出ない場面 警察・店舗への未連絡、登録していない運転者、約款の禁止事項 など

約款と料金表は、事務所での掲示、Web への掲載、書面(電子メールを含む)の提示のいずれかで利用者に示すことが許可の条件になっています。約款の全体の作り方と料金表の届出は貸渡約款と料金表の作り方で扱います。

利用者への説明のしかた

国の通達は、貸し出す前に次の事項を利用者に明示するよう、運輸支局が事業者を指導することとしています。借りる人の損害賠償の責任と営業補償の責任(NOC など)、事業者の保険・補償制度の内容と条件、故障・事故の時の措置などです。国民生活センターも、補償額・免責額・適用の条件・事故の時の対応・NOC の扱いを、契約の前に約款や利用ガイドで確認するよう消費者に助言しています。

利用者が予約の前に見られるよう、補償の選択肢ごとに「免除されるもの」と「残るもの」を並べた表を出すのが分かりやすい方法です。

補償の選び方 免責額 NOC 補償が出ない場面の損害
付けない 利用者の負担 利用者の負担 利用者の負担
免責補償(CDW) 免除 利用者の負担 利用者の負担
免責補償+NOC の補償 免除 免除 利用者の負担

説明の場面ごとの要点は次のとおりです。

  1. 予約の画面: 補償の名前・料金・上の表・補償が出ない場面を出し、約款へのリンクを置きます。
  2. 貸し出す時: 補償の選択内容を確認し、補償が出ない場面と、事故の時は大小を問わず警察と店舗に連絡することを口頭でも伝えます。
  3. NOC を請求する時: 実際に修理・清掃をして貸せなかったことが分かる記録(修理の明細、日付)を残します。協会は、修理が要らないと思われる小さな傷で NOC を求められた利用者に、修理が行われたかを確認するよう勧めています。

補償の名前に「安心」「フル」「全額」のような語を使うなら、何が残るかを同じ場所に書きます。名前で期待をあおり、中身を約款の奥に置く書き方は避けます。

消費者契約法・民法の観点

CDW と NOC は約款(定型約款)の条項として効力を持ちます。約款を契約の内容とすることを前もって示していれば、個別の条項にも合意したとみなされます(民法 第548条の2)。ただし、相手方の利益を一方的に害する条項は合意しなかったものとみなされ(同条第2項)、消費者との契約では消費者契約法 第10条でも無効になります。NOC の額が実際の損失から大きく離れている、補償の除外の条件が広すぎる、といった条項はこの観点で問題になりえます。利用者から求められたら遅滞なく約款の内容を示す義務もあり、契約の前に求められて拒むと、みなし合意は生じません(民法 第548条の3)。約款全体で気をつける条文の一覧は貸渡約款と料金表の作り方にまとめています。

消費者契約法 第9条第1項第1号(平均的な損害を超える部分は無効)は「契約の解除に伴う」損害賠償・違約金の規定です。キャンセル料はこちらで考えますが、利用中の事故による NOC にそのまま当てはまるかは条文からは明らかではありません。いずれにしても、金額の根拠を説明できるようにしておくことが、どちらの観点でも身を守ります。個別の条項の有効性に迷う時は、弁護士などの専門家に相談してください。

camperGo でできること

camperGo の運営側で公開情報をもとに掲載している店舗があり、店舗の方は無料で認定して情報を管理できます(店舗の認定の手順)。Proプランでは、店舗の管理画面の「料金」の「補償・オプション」で、免責補償などの補償の名前・1 泊(1 日)の料金・説明を入れると、料金のページと予約の画面の「STEP 2 補償・オプション」に出ます。全員に付ける補償は「必須」にでき、説明の欄に「NOC は免除されません」のような残る負担を書いておけます(補償とオプション)。貸渡約款も予約の画面で全文を開いてから同意してもらう形で出せます(規約とポリシー)。くわしくはProプランと料金プランをご覧ください。

よくある質問

免責補償(CDW)は保険ですか?

保険会社の保険そのものではなく、事業者が約款で定める補償の制度です。全国レンタカー協会と運輸局の約款の参考様式も、「損害保険契約」と「事業者の定める補償制度」を分けて書いています。予約の画面や料金表でも「保険」と呼ばず、「免責補償制度」として示すと、利用者の誤解を防げます。

NOC は必ず設けなければなりませんか?

設けるかは事業者が決めます。北海道運輸局は、NOC を設けない事業者は約款の該当の項を削り、設ける場合は具体的な金額などを料金表に書くよう示しています。設けたら、貸し出す前に営業補償の責任として利用者に明示します。

NOC の金額に上限の決まりはありますか?

金額を定めた法令や公的な基準はありません。ただし、消費者の利益を一方的に害する条項は無効になりうるため(消費者契約法 第10条)、修理の間に失う売上など、説明できる根拠から金額を決めます。相場の公的な資料もないので、他社の金額をそのまま使うより、自社の数字で考える方が根拠を示しやすくなります。

CDW や NOC の金額を変えたら、届出が要りますか?

料金表に書いた CDW の料金や NOC の額を変えたときの届出について、一次資料に明記はありません。料金表を変えることになるので、料金表の変更として事後に届け出ておくのが確実です。扱いは管轄の運輸支局に確認してください。届け出た料金表と Web・予約の画面の金額がずれないようにします。

NOC の同意書を別にもらう必要はありますか?

NOC について単独の同意書を求める規定は、通達や法令に見当たりません。約款に根拠を書き、料金表に金額を書いて、事前に示すことが基本です。そのうえで、貸し出す時に補償の内容と残る負担を確認してもらった記録があると、後の説明がしやすくなります。

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根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

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