全国のキャンピングカーレンタルを、エリア・車種・料金で比べて探せます
レンタカー事業の営業所・駐車場の要件

レンタカー事業の営業所・駐車場の要件

更新 2026-10-21制度・根拠の確認 2026-10-21

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. 許可の段階で事務所・車庫が問われない理由
  3. 「使用の本拠」と 2km の考え方
  4. 保管場所の要件: 距離・出入り・広さ・権原
  5. 普通・小型と軽で違う手続き
  6. 自宅を事務所にする場合
  7. 用途地域と車庫の建物
  8. 路上・コインパーキングに置き続けない
  9. 近隣への配慮
  10. 事務所を増やす・移すとき
  11. 場所を決める前に確認すること
  12. よくある質問
  13. 関連する記事
  14. 根拠

キャンピングカーのレンタルを始めるとき、「事務所はどのくらいの広さが要るのか」「自宅で始められるのか」「車はどこに置けばよいのか」は早めに決めたい点です。この記事では、営業所と駐車場について、許可の基準で求められること・求められないこと、車庫証明(保管場所法)の要件、用途地域や近隣との関係を、法令と運輸局の資料に沿って整理します。許可の全体と申請の流れは自家用自動車有償貸渡業許可の取得方法で扱っています。

この記事の要点

  • 現行の許可の基準(関東・近畿・中国・長野で確認)には、事務所の広さや車庫の要件はありません。車庫は「わ」ナンバーの登録のときに、保管場所法の手続き(普通・小型は車庫証明、軽は保管場所の届出)で求められます。
  • 保管場所は、使用の本拠(レンタカーでは貸出をする事務所)から 2km 以内で、道路から支障なく出入りでき、車全体が収まり、使う権原がある場所でなければなりません。
  • 車庫証明・届出が要るかは、使用の本拠の位置と車の区分で変わります。普通・小型の車はほぼ全国、軽自動車は特別区と政令で決めた市だけが対象です。
  • 自宅を事務所にする場合、第一種低層住居専用地域では「兼用住宅」(住居が延べ面積の半分以上・事務所部分 50㎡以下)の範囲に収める必要があります。
  • 貸出を待つ車を道路に置き続ける運用はできません。道路を保管場所にすることや、道路の同じ場所に長時間止めることは保管場所法で禁止されています(一部の村を除き、軽自動車も対象)。通常の時間貸しの駐車場も、確保した保管場所の代わりに常用しないようにします。

許可の段階で事務所・車庫が問われない理由

レンタカーの許可の基準は、運輸局の公示・通達で「欠格事由に当たらない」「運送事業に似た行為の処分歴がない」「基準を満たす任意保険に入る」の 3 つが中心です(関東・近畿・中国・長野の現行の文書で確認。関東の公示は、このほかに貸せる車種の区分を定めています)。平成7年に制定された当初の通達には「貸す車のすべてを収容する車庫を有していること」という基準がありましたが、現行の基準からは外れています。事務所の広さや設備(机・電話・看板など)の基準も、この記事で確認した運輸局の文書には書かれていませんでした。

だからといって、場所を後回しにしてよいわけではありません。

  • 申請書には事務所の名称と所在地を書きます。申請先は、主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局です。
  • 車を「わ」ナンバーで登録するときに、保管場所法の手続きで駐車場が確認されます。許可が出ても、要件を満たす駐車場が無ければ登録できません。
  • 料金・約款と、運転者の紹介・あっせんをしない旨は、お客様に示す必要があります。ただし示し方は、事務所での掲示(ディスプレイの表示を含む)、Web サイトへの掲載、書面(メールを含む)の提示のどれでもよいとされています。事務所に紙の掲示板を置けなくても、Web サイトで条件を満たせます。

つまり、事務所に求められるのは主に「場所」で、その場所が車を置ける範囲を決めます。

「使用の本拠」と 2km の考え方

保管場所法(自動車の保管場所の確保等に関する法律)は、車の保有者に、道路以外の場所に保管場所を確保するよう求めています(第3条)。保管場所の位置は、施行令第1条で「使用の本拠の位置」との距離が 2km を超えないこと、とされています。

レンタカーの使用の本拠は、貸出をする事務所です。関東運輸局の貸渡実績報告書の様式は「貸渡を行っている事務所(使用の本拠)」と書き、近畿運輸局の確約書(乗り捨てのワンウェイ方式)も配置事務所を使用の本拠の位置として扱っています。結果として、駐車場は貸出をする事務所から 2km 以内に置くことになります。

架空の例で考えます。

候補 事務所からの距離 判断
事務所の敷地内の駐車スペース 0km 要件(収容・出入り)を満たせば候補になる
月極駐車場 A 1.5km 距離の要件は満たす。収容できるか・権原を確認
郊外の広い月極駐車場 B 2.5km この事務所を使用の本拠とする車の保管場所にはできない

駐車場 B を使いたいなら、B から 2km 以内に貸出をする事務所を置き、その事務所を使用の本拠として登録する方法が考えられます。この場合、事務所の新設として運輸支局に事前の届出が要ります(後の節で説明します)。距離の測り方は、車庫証明を受け付ける警察署で確認してください。

保管場所の要件: 距離・出入り・広さ・権原

施行令第1条が定める保管場所の要件は次のとおりです。

要件 中身 キャンピングカーで気をつける点
距離 使用の本拠から 2km 以内 事務所を先に決めないと候補を絞れない
出入り 道路から支障なく出入りできる 全長・全幅が大きく、前面道路の幅や入口の段差・切り返しの余地で出入りできないことがある
広さ 車全体を収容できる 全長・全幅を車検証で確認。屋根付きの車庫や立体駐車場は高さでも入らないことがある
権原 保有者が使う権原を持っている 他人の土地なら賃貸借の契約など、使ってよいことを示せるようにする

月極駐車場を借りるときは、キャンピングカーを置けるか(大きさの制限、事業用の利用の可否)を管理者に確認し、契約書の区画の寸法と車の寸法を突き合わせます。普通車用の区画にははみ出して収まらないことが多く、「車全体を収容できる」の要件に関わります。

普通・小型と軽で違う手続き

保管場所法の手続きは、登録自動車(普通・小型)と軽自動車で仕組みが違います。

普通・小型(8 ナンバーのキャブコン・バンコンなど) 軽自動車(軽キャンパー)
仕組み 保管場所の証明(車庫証明。第4条) 保管場所の届出(第5条)
要る時 新規登録、使用の本拠の位置が変わる変更登録などのとき 新たに運行の用に供するとき
窓口 保管場所を管轄する警察署 同左
対象の地域 特別区・市・町と、政令の別表第一の村(それ以外の村に使用の本拠があれば不要) 特別区と、政令の別表第二の市だけ
登録の窓口 運輸支局 軽自動車検査協会

対象の地域は保管場所法の附則第2項と施行令の附則第2項で決まっています。普通・小型の車はほぼ全国で車庫証明が要り、軽自動車は対象の市・特別区に使用の本拠がある場合だけ届出が要ります。区域は平成12年6月1日時点の市町村の区域で決まるため、その後の合併で市や町になった旧村の区域などは扱いが分かれることがあります。自分の事務所の所在地が対象かどうかは、都道府県警察のページや警察署で確認してください。

なお、附則で外れるのは車庫証明・届出などの手続きの規定です。道路以外の場所に、使用の本拠から 2km 以内などの要件を満たす保管場所を確保する義務(第3条)は、地域を問わずかかります。

「わ」ナンバーにするときに車庫証明が要るかは、登録の内容で変わります。

  • 新しく車を買って登録する: 新規登録なので、普通・小型の車は車庫証明が要ります。
  • 自宅で使っていた自分の車を、事務所に移してレンタカーにする: 使用の本拠の位置が自宅から事務所に変わるので、車庫証明が要ります。
  • すでに事務所を使用の本拠として登録している車を、そのまま「わ」にする: 使用の本拠が変わらないなら、車庫証明が要らない場合があります。手続きの内容で必要な書類が変わるため、運輸支局と警察署で確認します。

車庫証明の申請書の様式と添付書類は、都道府県警察のページや警察署で確認してください。交付までの日数も地域で違います。登録の手順全体はレンタカー登録と「わ」ナンバー取得の流れで扱います。

自宅を事務所にする場合

許可の基準に事務所の要件が無いので、自宅を事務所にして始めることも考えられます。そのときに確認したいのは次の 3 点です。

1. 用途地域(第一種低層住居専用地域)

第一種低層住居専用地域では、事務所は単独では建てられず、住宅と兼ねる「兼用住宅」の形なら認められます。建築基準法施行令第130条の3は、その条件を、延べ面積の 2 分の 1 以上を住居にし、かつ事務所の部分の床面積を 50㎡以下にすること、としています。自宅の一室を受付と書類の保管に使う程度なら収まることが多いですが、増築して事務所部分を広げる場合などは、自治体の建築の窓口で確認してください。用途地域は、市区町村の都市計画図で調べられます。

2. マンション・賃貸の契約

分譲マンションの管理規約や賃貸住宅の契約で、事業での使用や看板の設置、不特定の人の出入りが制限されていることがあります。法令ではなく契約の問題なので、ここは個別に確認するしかありません。許可を申請する前に、管理組合や貸主に確認しておきます。

3. 車をどこに置くか

自宅を事務所(使用の本拠)にすると、駐車場は自宅から 2km 以内が条件になります。自宅にキャンピングカーを置ける広さが無ければ、近くで大きな車を置ける月極駐車場を探します。お客様が自分の車で来て、貸出中その車を置いていく運用にするなら、その置き場所も考えておく必要があります(お客様の車を路上に止めてもらう運用は、駐車の規制に触れるおそれがあります)。

用途地域と車庫の建物

用途地域の制限は、主に「建築物」にかかります。屋根と柱のある車庫(ガレージ)を建てる場合、第一種低層住居専用地域などでは、建築基準法施行令第130条の5で、附属の自動車車庫について次のような制限があります。

  • 床面積の合計が 600㎡(同じ敷地の建物の延べ面積が 600㎡以下なら、その延べ面積)を超える車庫は建てられない
  • 2 階以上にある車庫は建てられない

キャンピングカー数台の車庫で 600㎡を超えることは少ないですが、住宅系の地域で大きなガレージを建てる計画なら、設計の段階で確認します。屋根の無い青空の駐車場が用途地域の建築の制限を受けるかどうかは、この記事で確認した一次資料には明示がありませんでした。土地を借りて駐車場にする場合は、自治体の建築・都市計画の窓口で確認してください。

路上・コインパーキングに置き続けない

保管場所法第11条は、道路を保管場所として使うことを禁じ、道路の同じ場所に引き続き 12 時間以上(夜間は 8 時間以上)駐車することになる行為も禁じています。この規定がかかるのは、特別区・市・町と政令の別表第一の村の区域で行われた行為です(附則第3項・施行令附則第3項)。車庫証明が要る区域と同じで、軽自動車も対象になります。

レンタル事業でこの規定に触れやすいのは、次のような運用です。

  • 返却された車を、洗車や点検のあいだ事務所の前の道路に止めておく
  • 駐車場の区画が足りず、貸出待ちの車を路上に置く
  • 車庫証明を取った場所が手狭で、近くのコインパーキングに置き続ける

コインパーキングは道路ではないので第11条の禁止には当たりませんが、車庫証明や届出をした保管場所でもありません。通常の時間貸しの駐車場を、確保した保管場所の代わりに常用する運用は避けます。月極などで区画を継続して使える契約にし、2km 以内・使う権原などの要件を満たすなら、その区画を保管場所として車庫証明・届出の手続きをし直す方法があります(手続きは管轄の警察署に確認)。台数を増やすときは、まず保管場所の区画を確保してから車を増やす順番にします。

近隣への配慮

レンタル事業の営業所・駐車場について、近隣への配慮を定めた事業者向けの公的な基準は確認できませんでした。法令上の義務とは別に、住宅地で営業する場合に起こりやすい点を挙げておきます。

  • 出入りの時間: 貸出・返却が早朝や夜に集中すると、エンジン音やドアの開け閉め、会話が気になりやすくなります。受付の時間を決め、約款や予約の案内に書いておきます。
  • 大きな車の切り返し: 前面道路が狭いと、出入りのたびに通行を妨げます。お客様に運転させず、出し入れはスタッフが行う形にすると、事故も減らせます。
  • 洗車・清掃・排水の処理: 返却後の洗車の水や、車内のタンクの水の処理の場所と方法を決めておきます。排水の扱いは自治体のルールに従います。
  • お客様の車: お客様が乗ってきた車を置く場所が無いと、近くの路上や店舗の駐車場に止められてしまいます。予約の時点で置き場所の有無を伝えます。
  • あいさつと連絡先: 始める前に近隣にあいさつし、困ったことがあれば連絡してもらえる窓口を伝えておくと、問題が小さいうちに対応できます。

事務所を増やす・移すとき

開業したあとで営業所を増やしたり移したりするときは、次の決まりがあります。

  • 事前の届出: 事務所の新設、名称や所在地の変更は、あらかじめ、その事務所の所在地を管轄する運輸支局に届け出ます。許可を受けた運輸支局とは別の運輸支局の管内に置く場合は、主たる事務所の許可書の写しを付けます。
  • 車庫は事務所ごとに 2km: 新しい事務所に車を配置するなら、その事務所から 2km 以内に保管場所が要り、使用の本拠が変わる登録では車庫証明も取り直します。
  • 事業者証明書の範囲: 「わ」ナンバーの登録で使うレンタカー事業者証明書は、交付した運輸局の管内でだけ有効です。県境をまたいで別の運輸局の管内に事務所を置くなら、その運輸局で証明書を取ります。
  • 車の管理の責任: 車を配置した事務所は、その車が手元にあるか別の事務所に一時的にあるかにかかわらず、貸出や整備の状況を把握して管理しなければなりません。乗り捨てで車が別の事務所に置かれたままになる状態を常態化させないよう、通達でも求められています。
  • 整備管理者と報告: 整備管理者の選任(乗車定員 10 人以下・車両総重量 8 トン未満なら 10 両以上)は使用の本拠ごとに数えます。毎年の貸渡実績報告書も、使用の本拠を管轄する運輸支局ごとに分けて作ります。

開業後の届出と報告の全体は開業後の届出・報告で扱います。

場所を決める前に確認すること

  • 主たる事務所の所在地と、それを管轄する運輸支局
  • 事務所から 2km 以内に、キャンピングカーの全長・全幅(屋根付きなら全高も)が収まり、道路から出入りできる駐車場があるか
  • 駐車場を使う権原(契約)と、キャンピングカー・事業用の利用が契約で認められているか
  • 事務所の所在地が、車庫証明(普通・小型)や保管場所の届出(軽)の対象の地域か
  • 自宅を事務所にするなら、用途地域(第一種低層住居専用地域の兼用住宅の面積)と、管理規約・賃貸の契約
  • 返却後の洗車・点検をする場所、お客様の車を置く場所
  • 将来、台数や事務所を増やすときに、保管場所を同じ範囲で広げられるか

よくある質問

事務所の広さや設備に決まりはありますか?

この記事で確認した運輸局の現行の公示・通達(関東・近畿・中国・長野)には、事務所の広さや設備の基準は書かれていませんでした。ただし、料金・約款の明示、貸渡簿の保存、車の管理などの義務を果たせる体制は要ります。運輸支局によって運用の案内が違う可能性もあるため、申請の前に管轄の運輸支局に確認してください。

駐車場は事務所から何 km まで離せますか?

保管場所法施行令第1条で、使用の本拠の位置から 2km 以内です。レンタカーの使用の本拠は貸出をする事務所なので、事務所から 2km 以内になります。2km を超える場所しか確保できないなら、その近くに貸出の事務所を置くことを考えます。

軽キャンパーだけで始める場合も車庫証明は要りますか?

軽自動車は車庫証明ではなく、保管場所の届出の仕組みです。届出が要るのは、使用の本拠が特別区と政令で決めた市にある場合だけです。ただし、道路以外の場所に保管場所を確保する義務(第3条)は地域を問わずかかります。道路を保管場所にすることや長時間の路上駐車の禁止(第11条)も、特別区・市・町と政令の別表第一の村の区域では軽自動車にかかります。届出が要らない地域でも、車は道路以外の保管場所に置いてください。自分の地域の扱いは警察署で確認できます。

自宅の駐車場にキャンピングカーを置けますか?

自宅が事務所(使用の本拠)なら、自宅の駐車場は 2km 以内の条件を満たします。そのうえで、車全体が敷地内に収まり、道路から支障なく出入りできることが要件です。車の一部が道路にはみ出す置き方は、保管場所の要件を満たしません。

返却された車を一時的に事務所の前の道路に止めてもよいですか?

保管場所法第11条は、道路を保管場所として使うことと、道路の同じ場所に 12 時間以上(夜間は 8 時間以上)止めることを禁じています。短い時間でも、道路交通法の駐車の規制がかかる場所があります。洗車や点検も、保管場所や敷地の中で行える段取りにしておきます。

関連する記事

根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

お問い合わせ