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キャンピングカーレンタル事業のメリット・デメリット

キャンピングカーレンタル事業のメリット・デメリット

更新 2026-10-22制度・根拠の確認 2026-10-22

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. 比べる前に: この事業の形
  3. メリット
  4. デメリット
  5. メリットとデメリットを並べると
  6. 向いている人・向かない人
  7. 始める前の自己診断
  8. よくある質問
  9. 関連する記事
  10. 根拠

キャンピングカーのレンタル事業について調べると、「人気が高まっていて有望」という話と、「手間と費用がかかって割に合わない」という話の両方が見つかります。この記事は、開業を考え始めた方に向けて、良い面と難しい面を、業界団体や国の資料で確認できる事実をもとに同じ重さで並べ、どんな人に向いていて、どんな人には向かないかを整理します。市場の数字と収益の構造の詳しい説明はキャンピングカーレンタル事業は儲かる?収益性と市場動向で扱っているので、この記事は両面の比較と向き不向きの判断に絞ります。最後に、始める前に自分に問う質問をまとめています。

この記事の要点

  • メリットは、キャンピングカーと旅行の需要が伸びていること、許可に資金の要件が無く 1 台・副業からでも始められること、車両が資産として残り売却できること、届け出た範囲で料金を季節に合わせて変えられることです。
  • デメリットは、初期費用が重く、確認した補助金(小規模事業者持続化補助金〈創業型〉)では車両が対象外なこと、需要が連休や夏に偏りやすいこと、事故や修理で車が止まると利益が大きく崩れることです。清掃・点検・車検の手間が乗用車より大きく、許可のあとも記録・報告の義務が続きます。
  • 需要だけでなく、貸す側の台数も増えています。特種用途車等のレンタカーは 2009 年 3 月末の 20,443 台から 2026 年 3 月末の 63,012 台に増えました(全国レンタカー協会)。
  • 向き不向きを分けるのは、市場の伸びより、手間を仕組みで回せるか、車が止まる期間に耐えられる資金があるか、規則と記録を守り続けられるかです。

比べる前に: この事業の形

キャンピングカーのレンタル事業は、道路運送法第80条第1項の許可を受けて、自分(自社)が使用者として登録したキャンピングカーを、お客様に料金を取って貸す事業です。お客様が自分で運転し、事業者が運転手を付けることは許可の条件で禁止されています。メリット・デメリットはすべて、この「車を貸して、運転はお客様に任せる」という形から生まれます。開業までの全体の流れはキャンピングカーレンタル事業の始め方【完全ガイド】で整理しています。

メリット

1. キャンピングカーと旅行の需要が伸びている

一般社団法人日本RV協会の推計では、キャンピングカーの国内保有台数は 2022 年の 14 万 5,000 台から 2025 年の 17 万 3,000 台へ、近年は年に約 1 万台ずつ増えています。観光庁の調査では、2025 年の日本人の国内旅行消費額は 26 兆 7,845 億円(前年比 6.5% 増)でした。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2025 年の訪日外客数は 42,683,600 人で過去最高でした。

キャンピングカーに関心を持つ人が増え、旅行の需要も広がっていることは、レンタルの需要の追い風です。買う前に試したい人、年に数回だけ使いたい人にとって、レンタルは自然な選択肢になります。数字の読み方の注意(集計の主体や定義の違い)はキャンピングカーレンタル事業は儲かる?収益性と市場動向で詳しく扱っています。

2. 参入の要件が少なく、小さく始められる

国土交通省の通達の許可の基準は、欠格事由に当たらないこと、申請日前 2 年以降に運送事業に似た行為で処分を受けていないこと、決められた額以上の任意保険に入ることの 3 点です。資本金などの資金の要件はなく、台数の下限も、本業か副業かの区別もありません。許可の標準処理期間は 1 か月(書類の補正の期間を含まない)で、国に納める登録免許税は許可 1 件につき 9 万円です。

1 台から、会社員の副業としても始められます。小さく始めて、実際の予約と費用を見てから増やすか決められるのは、この事業の大きな利点です。副業で始めるときの論点は副業でもキャンピングカーレンタル事業はできる?で扱っています。

3. 車両が資産として残り、やめるときに売却できる

事業の中心になる車両は、使い終わっても価値が残る資産です。事業をやめる・台数を減らすときは、車両を売却して資金の一部を回収できます。初期費用の多くが内装工事や設備のように撤去すると価値が無くなるものだと、撤退の負担は大きくなりますが、車両はその点で違います。

ただし、キャンピングカーの売却価格(残価)の公的な統計はありません。年式・走行距離・状態・その時の相場で決まるため、売却の見込みは計画の中で控えめに置きます。また、税の面では、レンタカーとして使うと耐用年数が一般の乗用車より短い区分になり、償却が早く進むぶん、売るときの帳簿の価額が小さくなって売却益が出やすくなります。ファイナンス・リースで車両を入れた場合は、原則として中途解約ができず、解約するときは残りのリース料にあたる額を一括で払うので、「売って終わり」にはなりません。

4. 季節に合わせて料金を変えられる

レンタカーの料金と約款は運輸支局に届け出ます。ただし「基本料金」と「割増の上限額」で届け出ておけば、基本料金と上限額を変えない限り、繁忙期・閑散期・平日割引などの適用期間を変えるたびに届け出る必要はありません(2023 年の国の事務連絡)。需要の多い時期に料金を上げ、少ない時期に下げる調整を、届け出た範囲で自分で行えます。料金表と約款の作り方はレンタカー事業の貸渡約款と料金表の作り方で扱っています。

5. 数字で事業を見直しやすい

レンタル事業の売上は、ほぼ「1 日の料金×稼働日数」で決まります。運輸支局に毎年出す貸渡実績報告書の項目(延貸渡回数・延貸渡日車数・延走行キロ・総貸渡料金)と同じ単位で自分の数字を集計しておけば、どの月が強く、どこで取りこぼしているかが見えます。損益分岐の稼働日数が分かれば、増車・現状維持・撤退の判断も数字でできます。

デメリット

1. 初期費用が重く、確認した補助金では車両が対象外

キャンピングカーの事業は、最初に車両という大きな買い物が要ります。日本政策金融公庫の調査では、全業種の開業費用の平均値は 975 万円(2025 年度)です。これはキャンピングカーのレンタル事業だけの値ではありませんが、車両の価格を考えると、少ない資金で始められる事業ではありません。

さらに、小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(確認した第3回・第4回の公募要領)では、自動車などの車両や、有償で貸すことを目的とした機械装置等は補助の対象外です。補助金は後払いでもあります。ほかの補助金で車両や貸すための設備が対象になるかは、その制度・その回の公募要領で確認するしかありません。確認できるまでは補助金を当てにせず、自己資金・融資・リースのどれで車両を手に入れるかを最初に決めることになります。費用の項目は開業資金はいくら必要?で扱っています。

任意保険も、許可の基準(対人 1 人 8,000 万円以上・対物 1 件 200 万円以上・搭乗者 1 人 500 万円以上)なので削れない費用です。貸しても貸さなくてもかかる固定費が大きいことが、この事業の基本的な重さです。

2. 需要が季節と曜日に偏りやすい

キャンピングカーのレンタルの需要が月や季節でどれだけ偏るかを示す公的な統計はありません。一般的な傾向として、大型連休・お盆・年末年始は多くの人が同時に休むため予約が重なりやすく、平日や寒い地域の冬は空きやすくなります。繁忙期は台数が足りずに予約を断り、閑散期は車が止まったまま固定費だけがかかる、ということが起きます。冬に貸すなら雪道への備えも要ります。年間の売上を繁忙期の稼働だけで見積もると、計画が大きく狂います。

3. 事故と修理で車が止まると、利益が大きく崩れる

日本RV協会の「キャンピングカーレンタル事業マニュアル」は、事故で車両が使えなくなると利益構造が大きく崩れると書いています。需要の拡大で新規参入と運転に慣れない利用者が増え、事故が増えてコストが上がり利益が減る構造も、レンタルの課題に挙げています。同じマニュアルの事故事例には、車体の後部や外部電源のケーブルが関わる、乗用車には無い種類の事故も載っています。

1 台の事業では、修理を待つ間の売上がまるごと無くなります。免責補償(CDW)や NOC(修理などで貸せない間の営業の損失として利用者が払う費用)を約款と料金表に定めて一部を回収することはできます。ただし、これらは保険ではなく事業者の補償制度で、休車の損失をすべて埋めるものではありません。補償制度の設計はレンタカーの免責補償制度(CDW)とNOCとは?で扱っています。

4. 清掃・点検・車検の手間が大きい

キャンピングカーは、走る部分に加えて、寝具・キッチン・水回り・電装などの架装部があります。貸すたびに清掃と補充、設備の動作の確認が要ります。日本RV協会のマニュアルは、車両重量が大きく、水や荷物で車検証の重量を上回ることが多いため、タイヤの空気圧と使用年数の管理を重視しています。

法令の点検・車検の頻度も、自家用の乗用車より多くなります。8 ナンバー(普通・小型の特種用途自動車)のキャンピングカーのレンタカーは、定期点検が 3 か月ごと(道路運送車両法第48条)、車検は初回 2 年・以後 1 年ごとです。日常点検は 1 日 1 回、運行の開始前に行います。そのたびに費用がかかり、車が貸せない日も出ます。

5. 許可のあとも、記録と報告の義務が続く

許可は取って終わりではありません。主な義務は次のとおりです。

義務 中身
料金・約款の明示 事務所での掲示・Web 掲載・書面(電子メールを含む)のいずれかで示す。変えたときは遅滞なく届け出る
貸渡簿 運転者ごとの免許の種類・番号、走行キロ、事故などを記録し、貸渡しの終了日から 2 年間保存する
貸渡証 運転者に交付し、運転中に携帯してもらう(電子での交付も可)
貸渡しの時の確認 運転する可能性のある人全員の氏名を申込書に書いてもらい、保険や補償が出ない場合を伝える(2026 年 6 月 30 日付の国の通知)
貸渡実績報告 毎年 5 月 31 日までに前年度の実績を運輸支局に出す
ネット予約の表示 特定商取引法の通信販売の表示(事業者名・料金・キャンセルの扱いなど)

無許可で貸すと 100 万円以下の罰金の対象で、許可の条件に違反すると、車両の使用の禁止や許可の取消しの対象になります。開業後の届出・報告の予定はレンタカー事業で守るべき法律と開業後の届出・報告にまとめています。

6. 利用者とのトラブルが起きやすい

国民生活センターに寄せられたレンタカー・カーシェアの相談は、2016〜2019 年度に年 468〜526 件ありました。返却時に覚えのない傷の修理代を請求された、保険が使えず高額な修理代を請求された、といった例が典型です。お客様にとっても、事業者にとっても、傷の確認と補償の説明があいまいなまま貸すと揉めごとになります。貸出前と返却時に、お客様と一緒に傷を確認して記録する手間は省けません。

7. 貸す側も増えている

需要の伸びと同時に、供給も増えています。全国レンタカー協会の集計では、キャンピングカーを含む「特種用途車等」のレンタカーは、2009 年 3 月末の 20,443 台から 2026 年 3 月末の 63,012 台へ約 3 倍になりました。この数にはキャンピングカー以外の特種用途車も含まれ、キャンピングカーだけの内訳はありません。市場が伸びているから始めれば予約が入る、とは言えず、選ばれる理由と集客の入口を用意する必要があります。

8. 借りられる人に制約がある

2017 年 3 月 12 日以後に普通免許を取った人は、車両総重量 3.5 トン以上の車を運転できません。車両によっては、借りられるお客様が免許の種類で限られます。外国の免許で運転できるのも、国際運転免許証か政令で定める 6 つの国・地域の免許と翻訳文で、上陸から 1 年などの条件があります。車両の選び方で、取り込める客層が変わります。

メリットとデメリットを並べると

観点 メリット デメリット
市場 保有台数・旅行消費・訪日客が伸びている 貸す側の台数も増え、需要は連休・夏に偏りやすい
参入 資金の要件が無く、1 台・副業から始められる 許可のあとも記録・報告・表示の義務が続く
お金 車両は資産として残り、売却できる 初期費用が重く、確認した補助金(持続化補助金〈創業型〉)では車両が対象外。保険などの固定費が大きい
料金 届け出た上限額の範囲で季節に合わせて変えられる 閑散期に料金を下げても稼働が埋まるとは限らない
運営 数字で見直しやすい 清掃・点検・車検の手間が大きく、事故や修理で車が止まると売上がゼロになる
お客様 キャンピングカーを試したい人の受け皿になる 運転に慣れない人も多く、傷や補償をめぐるトラブルが起きやすい

向いている人・向かない人

向き不向きを決める公的な基準はありません。以下は、上のメリット・デメリットから言える一般的な傾向です。

向いている人

  • 貸出・返却・清掃・点検を、チェックシートや手順にして毎回同じように回せる人
  • 車が 1〜2 か月止まっても、固定費とローンの返済を払い続けられる手元資金がある人
  • 約款・貸渡簿・届出の期限など、決まりごとを記録に残して守り続けられる人
  • 週末・連休に受け渡しの時間を取れる人(繁忙期に動けないと、稼げる時期を逃します)
  • 自分でもキャンピングカーに詳しく、設備の使い方やトラブルの対処をお客様に説明できる人
  • 損益分岐の稼働日数を計算し、数字で増車や撤退を判断できる人

向かない人

  • 車を買えば予約が入り、手間をかけずに収入になると考えている人
  • 開業資金のほぼ全額を借入やリースでまかない、手元に余裕が無い人
  • 事故や故障の連絡を受けられる時間帯がほとんど無い人
  • お客様と傷や補償の話をきちんとするのが苦手で、説明を省きたくなる人
  • 対象経費を公募要領で確認しないまま、補助金で車両を買うことを前提に計画している人

向かない側に当てはまっても、すぐに諦める必要はありません。資金の余裕を作る、受け渡しの時刻を絞る、手順を整えるなど、変えられる条件も多くあります。

始める前の自己診断

開業の準備に入る前に、次の質問に答えてみてください。答えられない質問があれば、その点が最初に取り組む課題です。

  1. 運転手を付けない「貸す」事業で、運転に慣れないお客様を受け入れる覚悟があるか: 事故への備えと、貸出時の説明が事業の中心になります。
  2. 月の固定費と、損益分岐の稼働日数を計算したか: 計算の手順は損益分岐点と投資回収期間と収支シミュレーションで確認できます。
  3. 閑散期の稼働を低めに置いても、年間で固定費と返済をまかなえるか: 繁忙期の数字だけで計画していないかを見直します。
  4. 事故で車が 1 か月止まったとき、何か月分の固定費を払える資金があるか: 日本政策金融公庫のセルフチェックリストは、半年程度の赤字を補う運転資金を検討したかを確認項目にしています。
  5. 許可の基準を満たす保険を、レンタカーとして引き受けてくれる保険会社があるか: 車両を買う前に確認します。
  6. 事務所から 2km 以内に、車高・全長の大きいキャンピングカーが入る車庫を確保できるか
  7. 借りてほしいお客様の免許で運転できる車両か: 3.5 トンの線を確認します。
  8. 受け渡し・清掃・点検に、週に何時間使えるか: 実際に一通りやって時間を計ると、見積もりの甘さが分かります。
  9. やめるときの出口を考えたか: 車両の売却の見込み、ローンやリースの残りの扱いを並べておきます。

よくある質問

メリットとデメリット、どちらが大きい事業ですか?

一律には言えません。需要の伸びや参入のしやすさは誰にとっても同じですが、事故や修理で車が止まる影響、季節の偏り、手間の大きさは、資金の余裕と運営の仕組みしだいで重さが変わります。自分の数字で損益分岐の稼働日数を計算し、閑散期や休車の場合も含めて耐えられるかで判断してください。

一番大きなデメリットは何ですか?

日本RV協会のマニュアルが「利益構造が大きく崩れる」と書くように、事故や修理で車が止まることの影響が大きい事業です。とくに 1 台の事業では、その間の売上が無くなり、固定費と返済だけが残ります。補償制度の設計、修理先の確保、手元資金の余裕で備えます。

車両は売却できるので、失敗しても損は小さいのではありませんか?

車両が資産として残るのは確かにメリットですが、売却価格の公的な統計は無く、年式・走行距離・状態・相場で大きく変わります。ローンやリースの残りが売却額を上回ることもあり、ファイナンス・リースは原則として中途解約できません。撤退の損は、売却の見込みを控えめに置いて計算しておきます。

未経験でも始められますか?

許可の基準に業界の経験の要件はありません。ただし、事業の中心は事故への備えと、貸出・返却の確認と説明です。日本RV協会は事業者向けに「キャンピングカーレンタル事業マニュアル」を公開しているので、開業前に読み、予約から返却・事故事例までの実務の全体をつかんでおくと、デメリットの多くに先回りして備えられます。

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根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

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