全国のキャンピングカーレンタルを、エリア・車種・料金で比べて探せます
新車と中古車、どちらでレンタル事業を始めるべき?

新車と中古車、どちらでレンタル事業を始めるべき?

更新 2026-10-22制度・根拠の確認 2026-10-22

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. 新車と中古車を項目ごとに比べる
  3. 架空の例: 使う年数あたりの車両の費用で比べる
  4. 中古車は、レンタカーにできるかを先に確認する
  5. 中古の点検のポイント
  6. 年式と走行距離の「上限」の考え方
  7. リコールの調べ方
  8. よくある質問
  9. 関連する記事
  10. 根拠

レンタル事業の最初の 1 台を、新車で買うか中古車で買うかは、開業資金と開業の時期の両方を左右する判断です。この記事は、これから開業する方に向けて、新車と中古車の違いを事業の目線で比べ、中古車を買う前に見ておく所、年式と走行距離の考え方、リコールの調べ方を、国の資料と業界団体の基準に沿って整理します。車の形や大きさの選び方は車両の選び方の記事で扱っているので、ここでは「同じ形の車を新車で買うか、中古で買うか」に絞り、選び方の記事の新車と中古の要点を詳しく掘り下げます。

この記事の要点

  • どちらが有利かは、車の値段だけでは決まりません。「使う年数あたりの車両の費用」と、故障や修理で貸せない日数を合わせて比べます。
  • 中古車は、買う前にレンタカーとして登録できるかを確認します。古いディーゼルの車は自動車NOx・PM 法で登録できない地域があり、8 ナンバーの設備が外された車は要件を満たさないおそれがあります。
  • 中古車の「修復歴なし」は、車の骨格の部分についての表示です。居住部分(架装)の雨漏りや床・家具の傷みは含まれないので、別に点検します。
  • 年式・走行距離に公的な上限の目安はありません。数字で線を引くより、残りの使える年数、整備の記録、売るときの見込みで判断します。
  • 中古車はリコールの通知が前の持ち主に届いていることがあります。国土交通省のリコール情報検索とメーカーの車台番号の検索で、買う前に確認します。

新車と中古車を項目ごとに比べる

まず、事業で効いてくる項目ごとに違いを並べます。金額や日数の相場を示す公的な資料は見つからなかったため、表は「どちらに傾きやすいか」と「何で確認するか」を示しています。

項目 新車 中古車 確認する方法
買うときの費用 高い 抑えやすい 見積もり。車両の代金のほか登録の諸費用・装備も含める
手に入るまで 注文から納車まで時間がかかることがある 在庫があればすぐ 販売店に納車の時期を確認する
保証 メーカーなどの保証が付く(ベース車と架装で扱いが分かれることがあり、レンタカーに使う場合の条件は保証書による) 残りが短いか、無いことがある 保証の範囲と期間を、ベース車と架装に分けて書面で確認する
故障の起きやすさ 前の使い方の影響が無い 前の持ち主の使い方・保管の状態による 整備の記録・点検整備記録簿・実車の点検
売るとき 年数がたつほど値下がりする 買った値段との差が小さいこともある 同じ条件の中古車の売り出し価格・買取の見積もり
減価償却 法定の耐用年数で償却する 簡便法で耐用年数を短くできる 税理士・税務署に確認する
NOx・PM 法 現行の基準に適合して作られる 古いディーゼルは登録できない地域がある 車検証の備考欄・運輸支局
自動車税 キャンピング車の現行の税率 2019 年 9 月 30 日以前の登録は旧い税率。年数で重い税率がかかる場合がある 登録地の都道府県の税額表

いくつか補足します。

納期は許可の順番とあわせて考えます。 レンタカーの許可の申請書には、貸渡しの実施計画を書きます。許可の標準処理期間は 1 か月(書類の補正の期間を含まない)で、許可のあとに登録免許税を納め、「わ」ナンバーの登録をします。新車の納車が許可よりずっと後になると、許可を取っても貸せない期間ができます。逆に中古車を先に買うと、許可が下りるまで車を置いておく費用がかかります。全体の順番は開業までの流れ、登録の手続きは「わ」ナンバーの記事を見てください。

保証は「どこまで」を確認します。 キャンピングカーは、ベース車(エンジン・足回りなど)と、その上に作った居住部分(架装)で作った会社が違うことが多い車です。新車でも、ベース車の保証と架装の保証は別の扱いになることがあります。また、レンタカーに使う車が保証の対象になるかの条件を、買う前に書面で確認しておくと、後で揉めずに済みます。

中古の税の重さ。 自動車税(種別割)はキャンピング車に専用の税率表があり、例えば東京都では、2.5L 超 3.0L 以下の自家用キャンピング車は、2019 年 10 月 1 日以後に新車で登録した車が年 40,000 円、2019 年 9 月 30 日以前に登録した車が年 40,800 円です。さらに年数がたった車には、税率が重くなる表(重課)があります。税額は登録地の都道府県で決まるので、候補の車の登録年月で税額表を見ます。

減価償却。 中古の資産は、法定の耐用年数を全部過ぎていれば「法定の年数×20%」、一部を過ぎていれば「(法定の年数−過ぎた年数)+過ぎた年数×20%」で耐用年数を出す簡便法が使えます(1 年未満は切り捨て、2 年に満たなければ 2 年)。見積もりは事業に使い始めた年にしかできず、使い始めるための改造の費用が取得価額の 50% を超えると簡便法は使えません。キャンピングカーがどの耐用年数の区分に当たるかは、国税庁の資料に直接の記述が無いため、税理士・税務署に確認します。計算の例は減価償却の記事にまとめています。

架空の例: 使う年数あたりの車両の費用で比べる

値段の差だけで比べると、中古が有利に見えがちです。実際には、何年使って、いくらで売れて、その間に修理でいくらかかるかで差が縮むことがあります。次は考え方を示すための架空の前提です。実際の価格・売却額・修理費は、候補の車の見積もりで置き換えてください。

架空の前提 新車 中古車
買う費用(装備・諸費用を含む) 800 万円 450 万円
買ったときにする整備・修理 0 円 50 万円
使う年数 6 年 4 年
売るときの見込み 250 万円 150 万円
使う間の修理の見込み(架装を含む) 30 万円 80 万円

計算は次のとおりです。

  1. 新車: (800 万円 + 0 円 + 30 万円 − 250 万円) ÷ 6 年 = 年 約 96.7 万円
  2. 中古車: (450 万円 + 50 万円 + 80 万円 − 150 万円) ÷ 4 年 = 年 約 107.5 万円

この架空の前提では、中古車のほうが年あたりの費用は高くなりました。前提の置き方で結果は逆にもなります。大事なのは次の 3 点です。

  • 使う年数を決めてから比べる: 中古は使える年数が短いぶん、早く次の車を買う必要が出ます。
  • 修理で貸せない日を数える: 繁忙期に 1 週間貸せないと、その間の売上が消えます。修理代のほかに、休車の日数の見込みを置きます。休車の考え方は維持費の費目の記事で扱っています。
  • 売るときの見込みは自分で確認する: 形・燃料・年式ごとの売却価格を示す公的な資料は見つかりませんでした。同じ条件の中古車の売り出し価格や、複数の買取の見積もりで確認します。

収支の全体の組み立ては収支シミュレーション、資金の用意は開業資金の記事が参考になります。

中古車は、レンタカーにできるかを先に確認する

中古車は、安く見つけても、レンタカーとして登録できなければ事業に使えません。買う前に、次の 4 点を販売店に確認し、分からない所は管轄の運輸支局に聞きます。

  1. NOx・PM 法に適合しているか: 基準に適合しない古いディーゼルの車(キャブコンの多くが対象の車種)は、首都圏・愛知三重圏・大阪兵庫圏の対策地域を使用の本拠として登録できず、1 都 3 県の条例で走れない車もあります。仕組みは車両の選び方の記事にまとめています。中古車では、2002 年 8 月以降の車検証の「備考」欄で適合の状況を見ます。環境省の資料には、基準に適合しない車の型式の識別記号の例が載っているので、車検証の型式とも照らし合わせます。
  2. 8 ナンバーの設備がそろっているか: キャンピング車として登録された車は、就寝設備・水道設備(10L 以上の給水タンクと排水タンク)・炊事設備などの要件を満たしている必要があります。前の持ち主が水タンクやコンロを外していると、登録の内容と車の実態が合わなくなるおそれがあります。設備が全てそろい、使える状態かを実車で見ます。
  3. 2022 年の改正の前か後か: 8 ナンバーの要件は 2022 年 3 月に改正され(4 月 1 日から適用)、就寝設備の数の数え方や、洗面台・調理台を使う所の室内の高さの基準が変わりました。改正の前に登録された車は、構造・装置を変えない限り旧い基準のままの扱いです。旧い基準で作られた車は、就寝人数の表示を、実際の寝台の数と大きさで確認します。
  4. 車検の残りの扱い: 自家用の乗用車をレンタカーに用途を変更するとき、車検の残りが 1 年を超えていても、変更の日から 1 年の有効期間になる取扱いがあります(国土交通省の 2012 年の発表)。「車検が 2 年残っている」ことを値段の根拠にしている車は、その分の価値が事業では小さくなることがあります。

レンタカーにすると、車は自家用自動車のままで、8 ナンバーは 8 のまま平仮名が「わ」になります。許可の仕組みは必要な許可の記事にまとめています。

中古の点検のポイント

中古のキャンピングカーは、ベース車の部分と架装の部分で、見るべき所が違います。架装の部分を点検する公的な基準やチェックリストは見つからなかったため、以下は事業で困りやすい所を中心にした確認の項目です。できれば、キャンピングカーの架装を扱える整備工場の人に一緒に見てもらいます。

「修復歴なし」の意味を知っておく

中古車の修復歴は、自動車公正競争規約で広告や店頭の表示が必要な項目で、判断は日本自動車査定協会の基準によります。対象は、サイドメンバー・クロスメンバー・インサイドパネル・ピラー・ダッシュパネル・ルーフパネル・フロアなどの骨格の部位で、2019 年 4 月からは骨格の部位の損傷がカードの大きさを超えると修復歴とされます。居住部分のシェル・家具・給排水はこの一覧に入っていません。つまり、「修復歴なし」でも、居住部分を大きく直した車や、雨漏りしている車はありえます。

居住部分(架装)

  • 雨漏りの跡: 天井・窓の周り・天窓・ベッドの上の壁に、しみ・変色・カビ・浮きがないか。収納の奥や床の隅も見ます
  • コーキング(継ぎ目の充てん材): 屋根・窓・外の継ぎ目に、ひび割れ・はがれ・やせがないか。屋根は脚立などで上から見ます
  • 床: 歩いたときに沈む所・きしむ所・柔らかい所がないか。水回りの近くは特に見ます
  • 家具と扉: 収納の扉・引き出しのがたつき、走行中に開かないための留め具が効くか
  • 給排水: 給水・排水のタンクとポンプが動くか、配管から漏れないか、においが残っていないか
  • 電装: サブバッテリー・充電の装置・照明・コンセントが動くか、配線に後から足した跡がないか
  • 暖房・冷房・ガス: 動くか、取扱説明書があるか。ガスの設備があれば、容器を置く場所の仕切りと車外への通気が保たれているか

ベース車

  • 下回りの錆: フレーム・足回り・マフラー・ブレーキの配管に、表面の錆を超える腐食がないか。雪の多い地域や海の近くで使われた車は特に見ます
  • タイヤ: 製造の年と溝、偏った減り方がないか。キャンピングカーは重さでタイヤの負荷が大きくなりやすく、日本自動車タイヤ協会と日本RV協会の点検では、キャブコンの後輪の負荷が大きい車が多く見られました
  • ディーゼルの後処理装置: DPF や尿素 SCR が付いた車は、警告の表示が出ていないか、手動での再生の履歴や、尿素水の補給・燃料・オイルの管理の記録があるか。国土交通省の検討会は、後処理装置が正しく働くには適切な品質の燃料・オイル・尿素水と、使う人の点検整備が欠かせないとしています

書類

  • 点検整備記録簿・整備の明細・取扱説明書(ベース車と架装の両方)がそろっているか
  • 前にレンタカーとして使われていた車か。使われていた場合は点検の回数が多く記録が残りやすい一方、走行や設備の使用も多くなっています。記録の中身で判断します

年式と走行距離の「上限」の考え方

「何年以内・何万 km 以内なら安心」という目安を見かけますが、公的な基準や業界団体の目安は見つかりませんでした。数字で一律に線を引くより、次の順で考えます。

  1. 何年使うかを決める: 事業の計画で、この車を何年使って、いつ売るかを置きます。
  2. その間に走る距離を足す: 想定する貸出の日数と 1 回の距離から、年に走る距離を見込み、売るときの走行距離を出します。売るときの年式・走行距離で売れるかを、同じ条件の中古車の売り出し価格で確認します。
  3. 部品と修理の先を確認する: 古い車ほど、ベース車の部品や、架装の部品(扉の金具・ポンプ・暖房など)が手に入るかが問題になります。取り寄せに時間がかかる部品は、そのまま休車の日数になります。
  4. 税と点検の重さを入れる: 年数がたった車は自動車税の重い税率がかかる場合があります。レンタカーにすると車検は初回 2 年・以後 1 年(軽は 2 年ごと)、8 ナンバーのレンタカーは 3 か月ごとの定期点検になり、古い車ほど点検のたびの整備が増えやすくなります。
  5. 状態で最後に判断する: 同じ年式・走行距離でも、保管の場所、整備の記録、居住部分の状態で差が大きい車です。上の点検のポイントで見た状態を、数字より優先します。

ガソリンとディーゼルのどちらが長く使えるかも、公的な比較は見つかりませんでした。燃料の選び方の考え方は車両の選び方の記事にあります。

リコールの調べ方

リコールは、設計・製造の問題で保安基準に適合しない、または適合しないおそれがある車を、メーカーが国土交通大臣に届け出て、無料で回収・修理する制度です。使う人にも、保安基準に適合するよう点検・整備する義務があります。中古車は、通知が前の持ち主に届いていて、修理を受けていないことがあるので、買う前に次の方法で確認します。

  1. 国土交通省の「リコール情報検索」: 自動車不具合情報ホットラインのサイトで、車名・型式から届け出を探せます。対象は車台番号の範囲で示されるので、候補の車の車台番号が入るかを見ます。範囲の中に対象外の車が含まれることもあります。
  2. メーカーの車台番号の検索: 主なメーカーは、車台番号を入れると対象かどうかが分かる検索を用意しています。
  3. メーカー・販売店への問い合わせ: 対象で未実施なら、修理を受けてから引き渡してもらうよう販売店と決めます。
  4. 不具合の情報も見る: 同じサイトには、使う人から寄せられた不具合の情報や、事故・火災の情報の検索もあります。候補の車と同じ型で、どんな不具合が報告されているかの参考になります。

ベース車のリコールはこの方法で調べられますが、架装の部分について、ベース車とは別にどう確認するかの公的な案内は見つかりませんでした。架装の部分は、架装した会社に、その型で知られている不具合や改善の案内がないかを聞きます。窓口の電話は自動車不具合情報ホットライン(0120-744-960)です。

よくある質問

1 台目は中古で始めて、軌道に乗ってから新車に替えるのはよい方法ですか?

初期の資金を抑えて、需要を見ながら車を選び直せる点で、考え方として成り立ちます。ただし、中古車の修理で繁忙期に貸せない日が出ると、需要を正しく読めなくなります。中古で始めるなら、点検のポイントで見た状態がよく、整備を頼める先がある車に絞ります。

修復歴なしの中古キャンピングカーなら、雨漏りの心配はありませんか?

いいえ。修復歴は、フレーム・ピラー・フロアなどの骨格の部位の損傷についての表示で、居住部分の雨漏りや家具・給排水の傷みは含まれません。天井・窓の周りのしみやカビ、屋根のコーキングのひび、床の沈みを別に点検します。

年式や走行距離は、何年・何万 km までなら買ってよいですか?

公的な基準は見つかりませんでした。何年使っていつ売るかを決め、売るときの年式・走行距離で売れるか、部品が手に入るか、税や点検の重さがどうなるかで判断します。同じ数字でも状態の差が大きいので、整備の記録と実車の状態を優先します。

中古車の値段に「車検 2 年付き」とあります。レンタカーにしても 2 年使えますか?

使えないことがあります。自家用の乗用車をレンタカーに用途を変更するとき、車検の残りが 1 年を超えていても、変更の日から 1 年の有効期間になる取扱いがあります(国土交通省の 2012 年の発表)。レンタカーの車検は初回 2 年・以後 1 年なので、事業では「車検の残り」をあまり値段の根拠にしないほうが安全です。登録のときの扱いは運輸支局に確認します。

中古車を買って簡便法を使い忘れました。翌年から直せますか?

中古の資産の耐用年数の見積もりは、事業に使い始めた年にしかできず、後からは直せないとされています。中古車を買う年は、確定申告の前に税理士・税務署に確認しておきます。

関連する記事

根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

お問い合わせ