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ペット同乗可能なレンタル車両を運営する際の注意点

ペット同乗可能なレンタル車両を運営する際の注意点

更新 2026-10-22制度・根拠の確認 2026-10-22

この記事の目次
  1. この記事の要点
  2. ペット可にするかを決める前に
  3. 貸出のルールを決める
  4. 運転中の安全
  5. 駐車中の安全: 車内に残さない
  6. 清掃と消臭、次のお客様への配慮
  7. 料金と約款への書き方
  8. 汚れや傷のトラブルと請求
  9. 貸出のときの確認と説明のチェックリスト
  10. camperGo でできること
  11. よくある質問
  12. 関連する記事
  13. 根拠

犬や猫と一緒に旅をしたい人にとって、キャンピングカーは宿を探す手間が少ない移動手段です。いっぽうで、貸す側には、運転中と駐車中の安全、毛やにおいの清掃、次に借りるお客様への配慮、汚れや傷の請求といった、普通の貸出には無い仕事が加わります。この記事は、ペットの同乗を認めるかを考えている方に向けて、決めておくルールと運用の注意点を、道路交通法・環境省の基準・JAF の実験などに沿ってまとめます。

この記事の要点

  • ペット同乗の需要の大きさを示す公的な統計はありません。問い合わせや、ペット不可で断った件数を記録して、自分の地域の需要を測ります。
  • ルールは「頭数・大きさ・種類」「ケージ(クレート)の使用」「車内のどこで過ごすか」「車内に残して離れない」の 4 つを先に決め、約款・料金表・予約の画面で同じ内容を示します。盲導犬などの身体障害者補助犬はペットではないので、このルールとは別に扱います。
  • 運転中に膝に乗せる・足元で動き回る状態は、運転の視野や操作を妨げる乗車として道路交通法 第55条第2項に触れうるため、ケージで固定する運用が安全です。夏の車内は短い時間でも危険な温度になります。
  • 清掃・消臭の手順と、ペットが乗った車であることを次のお客様に伝えるかを決めておきます。アレルギーに配慮した清掃の公的な基準は無いので、「完全に取り除ける」とは約束しません。
  • ペットの追加料金・清掃料・汚損で貸せない間の補償は、約款に根拠を書き、金額を料金表に載せ、予約のページにも表示します。

ペット可にするかを決める前に

需要は自分で測る

ペット連れのキャンピングカーの利用がどれだけあるかを示す公的な統計は見つかりませんでした。業界の話題や広告の印象だけで決めず、次の数字を記録して判断します。

  • ペットの同乗について聞かれた件数(電話・メール・予約の問い合わせ)
  • ペット不可を理由に断った件数と、その時期(連休・夏など)
  • 同じ地域で、ペットの同乗を認めている店舗がどのくらいあるか

断った理由を 1 件ずつ記録して、条件を変えたときの得失を比べる方法はキャンピングカーレンタルの稼働率を高める方法でも扱っています。

車を選ぶ前に決める

ペット可にするかどうかは、車の内装の選び方にかかわります。床や座席の素材が掃除しやすいか、においが残りにくいかは、あとから変えにくい点です。全車をペット可にするか、ペット可の車を決めて分けるかも、この時点で考えます。車を分けておくと、アレルギーのあるお客様に、ペットが乗っていない車を案内できます。車の選び方の全体はレンタル事業に適したキャンピングカーの選び方をご覧ください。

貸出のルールを決める

ルールはお客様ごとに変えず、文にして示します。決める項目と、考え方の例は次のとおりです。

項目 決めること 考え方
種類 犬だけか、猫も含むか、ほかの動物はどうするか 清掃の手順と、においや毛の残り方が違う
頭数 1 台あたり何頭まで 車内の広さと、ケージを置ける場所の数で決める
大きさ 体重や体高の上限を設けるか ケージに入る大きさか、乗り降りを安全にできるか
ケージ(クレート) 走行中は必ず使うか、持ち込みか貸し出しか 走行中の固定と、休憩のときの逃走防止のため
車内の過ごし方 ベッド・座席・寝具に上げてよいか 上げないなら、ペット用の敷物を使う場所を決める
車内に残すこと 人が離れるときに車内に残してよいか 夏も冬も残さない、とするのが安全
排せつ 車内で排せつさせない、汚したときの処理 処理の道具と、汚したときに連絡してもらうこと
健康・予防 ワクチンの接種などを条件にするか 条件にするなら、確認の方法まで決める

身体障害者補助犬はペットとは別に扱います。盲導犬・介助犬・聴導犬(身体障害者補助犬)について、厚生労働省は「補助犬はペットではありません」と案内しています。身体障害者補助犬法は、不特定かつ多数の人が利用する施設の管理者などに、補助犬の同伴を拒んではならないと定めています(第9条など。補助犬の同伴で施設に著しい損害が出るおそれがある場合など、やむを得ない理由があるときを除く)。この記事のペットの決まり(ペット不可の車・追加料金・頭数や大きさの上限)を、補助犬にそのまま当てはめないようにします。使用者には、補助犬であることの表示と、衛生上の書類を持ち、求められたら見せる義務があります(第12条)。

レンタカーの店舗への同伴と、車両の貸出でどこまでがこの規定の対象になるかは、条文で名指しされていません。補助犬を連れたお客様への対応の方針は、店舗の窓口と車両の利用に分けて決め、迷うときは自治体の補助犬の相談窓口などに確認します。車内での乗せ方(足元で待たせるか、固定のしかた)は、ペットのケージの決まりを当てはめるのではなく、使用者と相談して安全な方法を決めます。

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」は、ペットを運ぶとき、なるべく短い時間の輸送方法を選んで必要に応じて休憩をとること、安全と逃走の防止に必要な大きさと構造の容器を使うこと、給餌・給水と温度・湿度・換気に気を配ることを、飼い主の努力義務として定めています。ケージの使用や休憩の取り方をルールに入れるときの根拠として、お客様にも説明できます。

ルールの文は、約款(禁止行為や細則)・料金表・予約のページ・貸出のときの説明で同じものを使います。どこかで内容が違うと、トラブルのときにどれが正しいかで揉めます。約款へのペットの扱いの書き方はレンタカー事業の貸渡約款と料金表の作り方にまとめています。運輸局の約款の参考様式にはペットの同乗についての定めが無いので、禁止行為に足すか、細則で定めて示します。

運転中の安全

道路交通法には、ペットを名指しで禁じる条文はありません。それでも、次の規定がかかわります。

  • 第55条第2項: 運転者の視野やハンドルなどの操作を妨げたり、後写鏡(ミラー)の効用を失わせたり、車の安定を害したりするような乗せ方をして運転してはいけません。ペットを膝に乗せる、足元や運転席のまわりで動き回るといった状態は、これに触れうると考えられます。
  • 第70条: 運転者は、ハンドルやブレーキを確実に操作し、他人に危害を及ぼさない速度と方法で運転しなければなりません(安全運転の義務)。
  • 第71条: 運転者の遵守事項には、乗っている人や積んだ物が落ちないようにする措置などがあります。また、都道府県の公安委員会が、交通の安全のために必要な事項を規則で定められます。運転者が守る事項を規則で足している地域もあるので、貸し出す地域の規則は警察で確認してください。

事業者として説明するのは、次の 3 点です。

  1. 走行中はケージに入れ、ケージは動かないように固定する。
  2. 運転席と助手席のまわりにペットを置かない。膝に乗せて運転しない。
  3. 窓やドアを開けるときは、ペットが飛び出さないようにする。

駐車中の安全: 車内に残さない

キャンピングカーは「車内で待っていてもらえる」と考えられがちですが、夏も冬も、ペットを車内に残して離れないことをルールにします。

夏: JAF の実験では、気温 35℃ の日に 4 時間駐車した車内の温度は、対策をしない黒い車で最高 57℃、サンシェードを使っても 50℃、窓を 3cm 開けても 45℃ になりました。エアコンを止めてから 15 分で、熱中症の指数が危険な水準に達しています。同じ実験は、エンジンをかけたままエアコンを使う方法にも、誤って発進する、燃料が切れる、排気ガスといった問題があるとしています。「エアコンをつけておけば大丈夫」とは言えません。

冬: JAF の別の実験では、雪に埋まった車でエンジンをかけると、マフラーのまわりを除雪しない場合、16 分で車内の一酸化炭素が 400ppm に達し、さらに 6 分で 1,000ppm(測定の上限)になりました。ペットを残して暖房のためにエンジンをかけておく使い方は危険です。

休憩のとき: 環境省の基準は、逃走を防ぐ措置と、マイクロチップなどで飼い主が分かるようにしておくこと、逃げたときは飼い主の責任で捜して捕まえることを求めています。サービスエリアや道の駅でドアを開ける前に、リードを付けるかケージに入っていることを確認するよう説明します。貸出のときに、逃げたときの連絡先(お客様自身の携帯電話など)と、マイクロチップなどの有無を確認しておくと、万一のときに動きやすくなります。

清掃と消臭、次のお客様への配慮

清掃の手順を決める

ペットが乗った車の清掃の方法について、公的な基準はありません。環境省の基準は、人と動物の共通感染症について正しい知識を持ち、排せつ物を処理したあとに手を洗い、必要に応じて消毒することを求めています。これを踏まえて、ペット可の車の清掃の手順を決めます。

  • 毛の除去(床・座席・寝具・カーテン・エアコンの吹き出し口のまわり)
  • 排せつ物や嘔吐の跡が無いかの確認と、あった場合の洗浄・消毒
  • においの確認と消臭(換気、消臭の作業)
  • ペット用の敷物・寝具を使ったなら、普通の寝具と分けて洗う
  • 清掃した日・した人・使った薬剤を記録する

ペットの同乗があった貸出は、普通の貸出より清掃に時間がかかります。次の貸出までの間を長めにとるか、清掃の日を予約の受付で押さえておきます。清掃の費用の見積もりの考え方はキャンピングカーレンタル事業の固定費・変動費一覧をご覧ください。

アレルギーへの配慮

動物のアレルギーに配慮した清掃の方法にも、公的な基準はありません。どれだけ清掃しても、毛や、においのもとが完全に残らないとは言い切れないので、次のように運用します。

  • ペット可の車であることを、車の紹介や予約のページに書いておく
  • アレルギーのあるお客様には、ペットが乗っていない車を案内するか、ペット可の車であることを予約の前に伝える
  • 「アレルギーの方も安心」のような、裏付けの無い表示はしない

料金と約款への書き方

ペットの同乗にかかわる料金は、次の 3 つに分けて考えます。

料金 内容 書く場所
ペットの同乗の料金 1 頭あたり・1 回あたりなどの追加の料金 料金表(オプションの料金)
清掃料 規定を超える汚れ・毛・においの清掃にかかる費用 約款に根拠、料金表に金額
汚損で貸せない間の営業の損失(NOC) 清掃や修理の間に貸し出せない損失として、利用者が払う費用 約款に根拠、料金表に金額

運輸局の約款の参考様式は、レンタカーの汚損・臭気などで車を使えないことによる損害を「料金表に定めるところによる」としています。ペットのにおいや汚れで次の貸出ができない場合の補償も、この形で料金表に金額を書いておきます。金額の相場を示す公的な資料は無いので、自社でかかる清掃の時間・外注の費用・貸せない日数から積み上げて決め、実際の費用と釣り合う水準にします。

あわせて、次の点に気を付けます。

  • 広告とページへの表示: Web で予約を受けるときは通信販売に当たり、料金のほかに利用者が負担するお金(ペットの料金・清掃料など)の内容と額を表示する必要があります(特定商取引法 第11条・同法施行規則 第23条)。
  • 届出: 料金表や約款を変えたときは、運輸支局に変更を届け出ます(事後の届出)。ペット可を始めるときや料金を変えたときも忘れないようにします。
  • 料金の決め方: オプションの価格の決め方はキャンピングカーレンタル料金の決め方で扱っています。

汚れや傷のトラブルと請求

ペットにかかわるトラブルで多いのは、返却のあとの毛やにおい、内装のかじり跡やひっかき傷、排せつの跡です。請求で揉めないために、次の 3 点を運用に入れます。

  1. 貸し出すときの状態を記録する: 内装(座席・床・ドアの内側・家具)を、毎回同じ角度で写真に撮ります。
  2. 返却はお客様の立ち会いで確認する: 汚れや傷があれば、その場で一緒に確認し、写真に残します。後日になって指摘すると、国民生活センターに寄せられる相談のような揉め方になりやすくなります。
  3. 請求できる範囲を先に書いておく: 「通常の使用での毛は清掃料の対象にしない」「ペット用の敷物の外の排せつ・かじり跡は清掃料・修理費の対象」のように、どこからが請求の対象かを約款や利用案内で具体的に示します。

通常の使用による摩耗は請求できないこと、消費者契約法による限界、請求書の項目とカード決済での追加の請求はレンタル車両の破損・汚損・修理費用の請求ルールにまとめています。

貸出のときの確認と説明のチェックリスト

予約のときと、貸し出すときに、次の項目を確認・説明します。

  • ペットの種類・頭数・大きさが、ルールの範囲に入っているか
  • 走行中に使うケージを持ってくるか、事業者が貸すか。車内のどこに、どう固定するか
  • ベッド・座席・寝具に上げてよいか、ペット用の敷物の場所
  • 車内に残して離れないこと(夏も冬も)
  • 休憩のときにドアを開ける前の注意(リード・ケージ)と、逃げたときの連絡先
  • 排せつや嘔吐で汚したときの処理と、事業者への連絡
  • 追加料金・清掃料・汚損で貸せない間の補償の金額と、どこからが請求の対象か
  • 内装の状態の記録(写真)を、お客様と一緒に確認したか

camperGo でできること

camperGo では、お客様が検索で「ペット可」の条件で車両を絞り込めるほか、ペットと一緒に乗れる店舗をまとめたペット可のキャンピングカーレンタルのページがあります。認定した店舗は、管理画面で店舗と車両ごとのペットの可否(可・不可)を入れられます(運営の承認のあとに反映)。Proプランでは、店舗のページの「ご利用ガイド」にペットの決まりを載せられ、Web 予約のときにお客様に同意してほしい項目(例: 「ペットのケージを使う」)を足せます。手順は絞り込みとお気に入り、店舗の情報を直す、規約とポリシーをご覧ください。camperGo の運営側で公開情報をもとに掲載している店舗もあり、店舗の方は無料で認定して情報を管理できます(店舗掲載について)。

よくある質問

ペットを膝に乗せて運転すると、法律違反になりますか?

道路交通法にペットを名指しする条文はありませんが、第55条第2項は、運転者の視野や操作を妨げるような乗せ方での運転を禁じています。膝に乗せた状態はこれに触れうると考えられます。都道府県の公安委員会の規則にも定めがありうるので、貸出の説明では「走行中はケージに入れて固定する」ことをルールにするのが安全です。

ペットの追加料金や清掃料は、いくらにすればよいですか?

公的な相場はありません。ペットの同乗で増える清掃の時間・消耗品・外注の費用と、清掃のために貸せない時間から積み上げて決めます。金額は料金表に書き、予約のページにも表示します。料金表を変えたときは運輸支局に届け出ます。

アレルギーのあるお客様にペット可の車を貸してもよいですか?

清掃をしても、毛やにおいのもとが完全に残らないとは言い切れません。ペット可の車であることを予約の前に伝え、可能ならペットが乗っていない車を案内します。「アレルギーの方も安心」のような表示は避けます。

犬だけを可にして、猫は断ってもよいですか?

ペットの種類・頭数・大きさの条件は事業者が決められます。決めた条件は約款や料金表、予約のページで同じ内容を示し、お客様ごとに変えないようにします。断った件数を記録しておくと、条件を見直すときの材料になります。ただし、盲導犬・介助犬・聴導犬(身体障害者補助犬)はペットではないので、この条件とは別に扱います(本文の「貸出のルールを決める」を参照)。

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根拠

この記事は一般的な情報です。法令・保険・税の扱いは変わることがあり、地域や個別の事情によっても異なります。手続きの前に、管轄の運輸支局・税務署・保険会社・専門家にご確認ください。

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